ストーカーの被害妄想と被害者意識について
パラノイア患者の
魂は、
憧れる
他者の中にある。
だから、
憧れる他者の居場所がわからないということは、
自己を見失うということを
意味する。
ストーカーが
ターゲットの全てを監視するのは、
アイデンティティを
失うまいとする
必死の行為によるものなのである。
加害者/被害者
の 関係を
鏡像的に
反転させ、
他者の中に
自己を見出し、
自らを
被害者の立場に
置いているのである。
これは、ヘーゲルの言葉を使うなら
「承認をめぐる闘争」である。
自分の主張を
周囲の多数に認めさせ、
そして、
標的を包囲し、
最終的には
被害者に自分を認めさせようとしたのである。
ストーカーは、
加害行為をしているにもかかわらず、
加害者/被害者
の関係を
鏡像的に
反転させ、
自らを
被害者の立場に
置き換え、
被害妄想を
膨らませ、
それにもとづいて
さらに
加害を行う
という
無限ループを
繰り返すのだ。