指を切った。
血が溢れ出した。
昨日は
別のスタッフが
指を切ったらしい。
その方いわく
『かまいたち』や、と。
いつもは
電気がついていて
電気をつけたまま
帰るのだが
今日は
暗闇だった。
「かまいたちを聞いてから
この暗闇は怖くない?」
若い着物スタッフ『全然怖くないって



だって
アタシは、
目に見えないものは
信用しないから

目に見えるものしか信じない



だから
目に見えないものなんて
怖くなんてない

』
一階の玄関も
今日は、
街灯が消されていて
真っ暗
すると
外の扉の下から
誰かが
無理矢理こじ開けようとしているような
扉が
ガタガタガタガタガタガタガタガタ
激しい音を立てて
揺れていた。
私と女性スタッフが
『
何あれ?
外で誰かが
ガチャガチャしてない?
それとも
風?』
外は暗闇なので
見えない。
『
え?
誰かが
外から扉を開けようとしてない?
何なんあれ?
怖いな~怖いな~』
でも
怖がるのは
思う壷な気がして
『
あ~ 全然怖くない

の若いスタッフの台詞を思い出したし
フロント女性が
全く騒いでいなかった。