・鮮やかなバイオレットの
デンファレ
あの 朝露を浴びたような
繊細な水の輝き
角度によって
キラキラ
輝きを魅せる
花びらを触ったときの
厚みのある
存在感のある
あの感触
強めの産毛のような弾力
15階16階のフロアが
鮮明に浮かぶ
デンファレ
デンファレ一つで
15階16階のフロアに
空間が
巻き戻される
自分は
愛したホテルに
舞い戻った
不思議な時空間を
体験する瞬間だ。
ぶわ~っと
タイムスリップするのだ。
四年前のホテルの空間に。
ワインレッドのカーネーション
この触り心地
ちょっとやそっとのことでは
揺るがない意志の強さを感じさせる
真っ直ぐな
弾力性
芯の強さが
全てに体現されている
カーネーション
何故だか
このワインレッドのカーネーションを見ていると
思わず
泣けてくる
懐かしさが込み上げる。
クリスマスディナーショーで
胸につけた
お花はバラだけど(デンファレのときもあったが)
クリスマスディナーショーで
胸にワインレッドの花を
挿している
自分の姿が
映し出されて
毎日の妨害に
戦いながら
白いスモークの中
音響さんが
リハーサル前の
広大な宴会場の
あの感じが
蘇り
よくぞ
あそこまで
頑張っていたなあ自分
と
思い出し
泣きそうになった。
他の人ならば、
あの頃の私の生活と
同じことは
絶対に出来やしないだろう。
黄色いスプレー菊が
ロビーに真ん丸いたよなあ
黄色のスプレー菊を見て
一言
『
凄いですね。
ボンバーヘッドですね
』
その台詞が
なんだか
切ない感覚だな。
二人にしか
わからない
思い出。