どうしても、理解できない。
病名と病状がつながらない。
私は看護師だけど精神科疾患に関しては無知。未知の領域。
でも、精神科の薬がどれだけ怖いかは分かっている。
OP室勤務時、OP前だからと向精神薬を中止していた患者さんに麻酔をかけた瞬間に急変したことがあった。
それ依頼、精神科の薬って本当に怖くて大切なんだと慎重に取り扱うようになった。
だから、薬の調節の段階で息子が寝たきりになった可能性は否めないとは思っていた。
ただ、病院の対応が悪すぎる。
もしもそんな状態になったのであれば、一報があっていいはず
いくら成人していると言っても、キーパーソンに何の連絡もないのはおかしい
やっぱり病院に確認しよう
17時ちょうど、もう病院の業務は終わる頃だろう
でも、まだギリギリ責任者の方もいらっしゃると信じて電話を入れる
病棟に繋いでもらい、電話に出たのは多分昼間対応してくれた若い女性の看護師
あなたでは話にならないんだよ←心の声
「先ほどのお話のことでお伺いしたいので、責任者の方を出していただけますか」
病棟師長さんが電話に出てくださったので、一体どういうことなのかと聞く
もちろん言葉は選んで。
「歩けないって本当なんですか」
「食べられないって本当なんですか」
「なぜそんな状態になっているのにキーパーソンの私に連絡がないんですか」
「おむつをして寝たきりって聞きましたがいつからなんですか」
病棟師長さん、絶句。
「その情報はいったいどこから・・・?」
「14時くらいに病院にお伺いしたときに対応してくださった看護師さんがそうおっしゃってました」
電話、保留にされないまま向こうの声筒抜け
「◯◯さん←息子 のお母さんの対応したの誰?」
「昼間受付でお母さんと話したのは誰?」
「そのときなんて言ったん?」
「その情報おかしいやんか」
「△△さんと間違ってるんやん」
もうその電話越しのバックの声で察しはついた
「患者の取りちがい」
実際医療行為はされてないから厳密には違うのかもしれないけど
「患者情報の取りちがい」
結果
息子は寝たきりでもなんでもなく
パーキンソンの症状は出ているが、入院した時と取り立てて変わっている状態ではないとのこと
電話越しで師長さん平謝り
これってね
アクシデントだよ
インシデントではないよ
こうやって患者の取り違えって起こるんだよ
パーキンソンで寝たきり
きっと取り違えた患者さんはそれなりのご年齢なのだろうと思う
その年齢の患者さんと、22歳の息子
間違えるか?
今までの私ならね
もっと言ってたよ
は?って
どういうことですか?管理体制どうなってるんですか?看護師教育どうなってるんですか?
でも、それって言っても仕方がないこと。
病院側は十分責任を感じていて
私がもうダメなら自宅で看取ることも考えたということもお伝えしたから
本当に申し訳ないって言ってくださって
息子が大丈夫ならそれでいいやって。
なんだったんだこの3時間
悩んで泣いて苦しんで
私のエゴで22歳で息子の命に幕を下ろす覚悟までした
あの看護師何なん。って思うけど
本当に患者間違いをして投薬間違えたとかでもなくて、ただ情報がその看護師の中で整理できてなくて起こったミス
でもね、きっとそういう看護師って
こういう出来事を「ミス」だとは思っていないんだろうな。
あ、間違えた〜レベルなんじゃないかと思う
命に別状があるわけじゃないからいいやん?的な。
確かに命に関わることではない。でも、そういうところが大きな患者取り違えのミスにつながる。
精神科って命に直結、ではないことがおおい。
自殺企図などはあるにしても、病気が直接命を左右することって少ない。
だから、怖い経験してないんだと思う。看護師が。
一般病院で働いてると、少なからずとも怖い思いは多少なりともしていることが多い。
私も、思い出しても鳥肌が立つ経験をしたこともある。
それが基盤にあるから、確認は何度してもしたりないくらいだと思っている。
今までならこんなとき、相手に逃げ場を与えずに責め立ててた。
相手がもう看護師辞めたい、って思うくらいまで責め立てていたと思う。
でも、それが変わってきた。
それは、息子のことがあるからなのか。
これから会社をもち経営に参画、人を雇う立場になり教育も担う立場になる。
社員の生活も私の背中に乗ってくる。
その重みが、その責任感が、私を変えてくれている。
今回のこのことも
試されてるんじゃないかとおもった。
後になって冷静に考えると。
これから、自分で仕事をしていく上で、いろんな壁にぶち当たるし、スタッフのミスの対応も必要になってくるだろうし、私自身も初めての分野だからミスも起こすだろう。
そんな時に対処できる器があるかどうか
ちゃんと冷静に話せるかどうか
一旦受け止め持ち帰り対応することって今までできなかった
でも、それが今回、できた。
大きな成長。
息子に何もなかったからそうやって思えるけど
これからももっといろんなことがある
家族のことにしても、患者さんのことにしても、利用者さんのことにしても、その他いろいろ。
でも、この息子とともに生きていく限り、今回のようなことは想定内だとおもっておかないといけないんだという思いもある。
いつ何が起こってもおかしくない。
ただ、やっぱり説明はちゃんとほしいと思う。
結局、息子は寝たきりでもなんでもなく
ただの、ではない。
絶対にしてはいけない、患者取り違えだったということで今回の件は解決。
私自身も患者間違いしないように気を引き締めていこう。
そして、病院に預けているからと安心しているけど
久しぶりにおもった。
息子に会いたい。と。