幼い頃から、発達が遅くかなりおかしい子たちだった。
こんなおかしい子なんて言葉を使うと批判されることもあるだろうけど、それしか言葉が思いつかない。
明らかに周りと違っていた。
寝返り、お座り、はいはい、つかまり立ち、歩く。もちろん全部がゆっくり。
発語も遅く、3歳半にして始めて二語文が出てきた。
周りの子達はもう会話もしているのに、やっと「わんわん、きた」とか言えるように。
それでも、もうこの子達の世界には言葉というものはないんだろうな、って覚悟してたから、二語文が出たときはとても嬉しかった。
「ママ、おかえり」
この言葉で仕事から迎えられたとき、泣いたのを思い出す。
そこからはよく喋るようになり、活発に遊ぶようにもなった。
でも、やはり何かが違うという違和感からは離れられない。
この子達、このまま自然に任せたら絶対知的障害になる。
その確信のもと、4歳から公文へ通うことに。
読み書き計算。これができれば最低限なんとかなるだろうと。
「文字」を書くことと計算は嘘みたいにできた。
ひらがな、カタカナ、漢字。覚えるの早い。
ただ、文章として認識することはできなかった。
そして、文章として読むこともできなかった。
そして、文章を書くこともできなかった。
幼い頃から読み聞かせをずっとして来ていたのに、できない。
暗記はできてる。何度も何度も同じ絵本を読み聞かせているんだから、そらで読むことは平気。むしろ得意。
でも、教科書を読むとなるとできない。
やっぱりおかしい。がどんどん積み重なっていく。
どうしてうちの子だけ?
なんで?
何が悪かったん?
ちゃんと産んであげられへんかったから?
双子なのに自然分娩。
双子だから帝王切開だとばっかり思って出産の勉強してなかった。
病院からもそう言われていた。
でも、出産の2週間前、二人とも頭位だから自然分娩可能です、って言われて、え?したから産むの?ってなり
いきみを逃す、ってことも知らなかった。
出産ってこんな感覚なんだということも全く知らず、切迫早産で安静アンド入院だったから母親学級にも参加できなかった。
なんか、便が出そうででない
トイレでひたすらいきむ
「◯◯さ〜ん、どこですか〜」
「トイレです、便がしたくてでも出なくて」
「だめ!それ赤ちゃんだからすぐ出てきて!」
え?これって赤ちゃんなの???
そう。その感覚は本当は赤ちゃんで、いきみは呼吸法で逃さないといけない
そんなの知らないから
生まれてきた2羊膜の長男の羊水は真緑で、ストレスにより胎便をしていた。
それを飲んでいるので呼吸もおかしい
低酸素状態で仮死状態
アプガー5−6という信じられない数字
生まれても泣かない我が子
「赤ちゃん泣いてない!」とパニクる私に助産師さん
「もう一人いるんだからね!この子も産まないといけないのよ!泣いてる場合じゃない!」
その一言で我に返るけど、二人目の出産なんて覚えてない
下から吸引かけられ上からクリステレル圧迫法で圧迫され、陣痛に合わせて「産まされた」けど、陣痛も全く痛みも感じない
気づいたら生まれて来ていた次男
長男と違い、2羊膜なので自分一人ケロッと元気。
こんな無知な母親の元に生まれて来た二人の息子
もちろん2000g程度と小さかったのもあり保育器に収容
黄疸出まくり光線療法何度したか分からない
これがもしかしたら核横断やったのかなとか、私がちゃんと産んであげられへんかったからなんかなとか
ずっとずっと自分を責めた。
言葉が遅いのは母親の関わりが薄いからと母親に言われたり、あんたが全部悪いねんと言われどん底に突き落とされたり
なんでうちの子ばっかり、っていう思いをずっとずっともってる。
今でもそう
自分のことを人と比べて自分の方が幸せなら安心する、なんて最低な思考回路をしていた私だけど
それって子どもに関して顕著に現れてて
よその子が障害ありそうやな、と思ったら、
ああ、私だけじゃないんや。って安心するようになっていた。
逆に、友達の子供がすごく賢かったり出来が良かったり普通に高校大学生活を送っていると聞くとしんどくなったりした。
人と比べるのはナンセンスだとは分かっていても、
きっと普通の子を持ったら持てる感情、楽しみ、喜び、そんなものを考えることがなくて
ただひたすら子育てが辛かった
今でもそう
だからこそ、私は絶対この事業を成功させて、人と比べて一喜一憂する自分から卒業したい
親の気持ちもわかる
だから、訪問看護やグループホームだけじゃなく、
家族看護というものに力を入れ、
私は、私が経営するグループホームや訪問看護を利用してくれているまだ若いこたちのお母さんたちのコミュニティを作りたいと思っている。
マイナスの感情は隠したらか隠すだけ歪みが生まれる
でも、どこにでも出していい感情ではない
その感情が出せる場所、そしてその感情を持つことが間違ってはいないこと
そういうことを
大丈夫なんだよ、って包み込めるような、そんな存在になりたいと思う。