小児がんとの辛い闘病生活の中でも


作曲活動を続けていた加藤旭君が


今月20日に亡くなりました。

 

16歳(高校2年生)でした。

 

中2の秋から脳腫瘍と闘い続け、


視力を失いながらも


「光のこうしん」に続く2枚目のCD


「光のみずうみ」の制作に励み、


そしてその入稿日(=18日)の翌々日の事


でした。

 

女声合唱団「きらきら湘南」一同


謹んで哀悼の意を表します。

 

 

*****

 

加藤旭君と私達「きらきら湘南」との出会いは


『くじらぐも』でした。

 

ちょうど一年前に


旭君の先生である三谷温先生に、

 

「旭君の『くじらぐも』の女声合唱版の楽譜を


探しています。」

 

とご相談したのがそもそものきっかけです。

 

ここから先生と旭君で


原曲を再度合唱版に編曲する作業が始まり、

 

合唱曲『くじらぐも』の楽譜を


それから2ヶ月後の8月に発刊して下さいました。

 

楽譜を目にした私は


その曲の「崇高さ」に感動したのを


覚えています。

 

この楽譜には児童・女声・混声と


3つのパターンに再編集された「くじらぐも」が


書かれていて、

 

私が実際に音に出したのは女声合唱版ですが、


とても清らかで


「凛とした」


という言葉が一番当てはまるような、


そんな合唱曲になっていました。

 

~・~・~・~

 

秋からすぐ「きらきら湘南」では


この曲の練習が始まりました。

 

ソプラノの音域は


一般ではかなり難しい高音域です。

 

しかも、それをP(ピアノ=弱く)で


言葉も丁寧に伝わるように表現しなければ


なりません。

 

最初はもう全くと言って良いほど、


音になりませんでした。

 

   ~・~・~・~

 

でも、団員の方々の心意気は


半端なものではありませんでした。

 

何回も何回も練習していくうちに


(そう、年が明けて2月頃でしたでしょうか)

 

繊細でそしてとても綺麗な高音が


優しく奏でられ、

 

その音から響く


「忘れないよ・・・」


という歌詞が、聴いている私の胸に響きました。

 

その時自分に呟いたのを覚えています。

 

(旭君、私達歌えるから!必ず歌うから!)

 

 ~・~・~・~

 

それから、


一般財団法人「メイク・ア・ウィッシュ」さんからお声がかかり、

 

「加藤旭君のチャリティコンサート」

(=5月5日、銀座ヤマハホール)で

 

ついにステージで


この『くじらぐも』を発表する事になりました。

 

旭君は


「沢山の難病と闘っている方々が


希望を持ってもらえるように」


と願いを込めてこの曲を書き、

 

私達は


「そういう旭君が元気になり、


彼の夢の実現を応援したい!」


と願いを込めてこの曲を歌いました。

 

このライブ録音は


当日会場にいらしていた旭君のお父様が


そのまま持ち帰られ、

 

旭君にその日のうちに届きました。

 

*****

 

それから2週間・・

 

旭君の訃報を聞き


今はただただ悲しみで一杯です。

 

沢山の旭君を応援して下さる皆さまに


こうしてブログを通してご報告するのにも

 

心の整理がつかず、少しお時間を頂きました。

 

でも二日前に発表された


旭君のお母様からのコメントの中に


こんな一文がありました。

 

 『旭を知ってくださった皆様、


応援してくださった皆様の中で、


生き続けてくれるよう感じています。


旭の音楽が種となり、


どこかで思わぬ芽を出してくれるかな、


と想像したりもします。


皆様とのご縁から生まれる、


あらゆる可能性を信じたいと思っております。』

 

私達「きらきら湘南」で出来る事は


これから沢山の『芽』が生まれるように、

 

しっかりと『くじらぐも』を


沢山の方々に伝えていく事です。

 

間もなく、7月24日には


藤沢合唱祭(=藤沢市民会館)があります。

 

旭君の『くじらぐも』が


彼の地元湘南でついにデビューの日です。

 

「きらきら湘南」一同で天に向け、


この『凛としたくじらぐも』を合唱いたします。

 

もし、沢山の方々で歌って頂けたら嬉しいです。

 

私達と一緒に歌って下さる方


いらっしゃいましたらいつでもご連絡下さい。

 

お待ちしております。

 

 

 

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