昨年、私は6名の利用者の祭壇を作った。
高齢化もあるし、もちろん病気にもなる方もいるしなくなる事は不思議な事でもなんでもない。
しかし、介護の現場ではなく生活支援の現場ではそんなにある事でもない。
11月の終わりから12月にかかる3日間で3名が、急死した。
祭壇に写真が2名並んだ事は、過去に数回あったけど、3日立て続けに亡くなり1名ずつ増えて3名の写真が並んだ事は初めてだった。
その間に、テーブルで食事用エプロンを畳んでいた男性職員がいきなり後ろにぶっ倒れた。(原因不明)
その次の日、昼休憩で食後談笑していた男性が座ったまま右に吹っ飛ぶように倒れ落ち意識が無くなった。
看護師がきてバイタルなどをはかったけど、異常はなくシーツを持ってきて担架かわりにして畳の部屋に運んで休ませた。
と、いうこともあわせて起きた3日間であった。
1人目の方は、精神的に落ちつかず薬の調整の為に入院していたが軽い肺炎もあるとのことで別な病院に転院したので、必要物品の確認の電話をかけた上司が、「えっ!?はっ?!はあ!?えー!」と大きな声を出したので、切った後、「どうしたんですかー?」と聞いたら、「〇〇さん、あぶないって…目をおろすところって」と唖然とした表情で言った。
みんなびっくり。
病院に急遽向かい、廊下で待っていたとき天井の電気がいきなり点滅したとのことだった。
2人目の方は、なかなかトイレから出てこなかったので様子を見に行くとぐったりしていたので、応急処置をしすぐ搬送したけど死亡確認された。
その時は、夕方で女性のユニットで食事支援をしている時で、いきなりバチッと音を立てて電気が消えて数回点滅をしたとのこと。
3人目は入院中で突然。
しかも原因不明。
夏にも急に亡くなった方がいて、私は前日、朝から夕方入院するまで付き添っていた。
「暑いね。あなたの名前なんだっけー?アイス食べたいなぁ」などとずっと話をしていた。彼女は酷い状態だったのである程度覚悟はしていた。病室に入る時、じゃあね!と別れたら次の日の朝、急変して昼前に亡くなってしまった。
お花クラブもあり、本人のお菓子なども沢山ある方だったので、祭壇はびっくりするほど華やかなものとなりどこかほのぼのとした空間となり、私は彼女が笑っているように感じたものだった。
しかし、秋になり夜勤時、お茶と服薬後、洗い物をしていた私は目のはじに人をみた。
彼女は部屋とトイレの往復を繰り返す人だったのだけど、パジャマをきた彼女がトイレから部屋に体を前かがみに手すりにつかまり戻るところだった。
あまりに自然だったのと、私も皆の就寝支援を終え気が抜けた状態だったせいか、失念しており「△△さん、転ばないように気をつけてねー」などと言って、洗い物を続けた。
ん!?
死んだよな!
しばしキツネにつままれたような感じになり、死んだよな!死んだよ!と、部屋に行くともちろん真っ暗で施錠もしてあった。
怖くはなかったので、49日も過ぎて成仏していると思っていたけど、まだいるのかなぁなどと同僚と話をしていた。
それからも、誰もいない暗闇から笑い声が聞こえたり、強い霊感のある人は、女性ユニットの入り口にホールができていてだんだん大きくなっていると言っている。
女性棟は黒いモヤに包まれていて、それは建物全てを覆うように広がってきている。
私的には、本当に恐怖を感じていたし、過去形ではなく…。感じている。
色々な事が起こった。
全ての原因…。
それも聞いた。
何とかしたかったけど、手遅れだそうだ。
この時代にこんな事があるとは。
信じない人がいても当たり前。
でも、あれだけの事があってもわからないって…。あの異様な空気、刺すような視線、感覚。随分と鈍い人がいるもんだな。何でわからないんだろう。そっちの方が不思議だな。