萌える不動産王(二年生)寂しい女
当時、私はホストの知り合いが数人いた。
接待のために使った、水商売の店で生まれた腐れ縁。
ヤクザ者もいる水商売。
そんな夜の世界は、底知れる怖さと同時に、艶やかさもある魅力的な世界だ。 (●)'3`)y─┛~~
私の仲良くしたホストは、私とは似つかない二枚目。
二枚目な彼と三枚目の私。
不良な彼と真面目な私は、なぜか不思議と馬が合った・・・。
不器用な私に、彼はホスト流の女の落とし方を教えてくれた。 ( @・(ェ)・@)y-゚゚゚ ふ~ん
彼は、女を物として扱う悪魔。
世間では、彼のような人種をジゴロというのだろう。
ただ、悪魔な一方で、誰よりもお人好で仲間を大事にする一面もあった。
私はそんな彼が好きだった・・・。
そんな彼に対して、一つ不思議に思ったことがあった。
それは、彼以上の二枚目は他にもいるのに、どうして彼だけが女にモテルのかということ。
(。・`┏o┓・`。 )
そんな私の疑問を察してか、ある日、彼は私に女を落とす秘訣を教えてくれた。
そのキーワードは、「寂しい女」。
「寂しがる女を見つけて、誰よりも彼女を大切にしてあげればいい」、と教えてくれた。
私はこの言葉を聞いた時、彼の甘いマスクの裏に潜むしたたかさにゾッとした。 (☺´ω`●)
ただ、そんなことを当たり前に言ってのける彼は、やはりその道のプロだと思った・・・。
女に無頓着な私。
女を落とす極意に、そんな魔法のキーワードがあるとは夢にも思わなかった・・・。 (◎'A`$!!) おお~
この言葉を聞いた時、私は、女の弱みに付け込む彼のやり方を非道と感じた。 (◎'ё`艸)
当然、彼の吐くこの言葉を、女をコマスための方便と解釈した。
ただ、プロ意識を持つ仕事人特有の、必要不可欠な非情さのようにも思えた・・・。 ん~(-∧-;)
彼は言った。
「ホストは、寂しがる女に一時でも愛と安らぎを与えるのが仕事なんだ。」と。
「一人の女も真剣に愛せぬ男が、真面目ぶって硬派ぶるのは1000年早い。」
「俺は、10人の女を同時に、誰よりも大切にすることができるんだ。」と・・・。
変則的な考えだが、営業マンである私は、この言葉を、
「数字一つ上げられない営業マンが、いくら理屈を並べたところで、何の意味も持たない」と同意に捉えた。
彼の考え方は、真面目な人が聞けば、非道と感じるだろう。
真面目や質素を美徳とする気質は、素朴なカスミソウを好む。
素朴なカスミソウは、陽気なヒマワリや、色気あるユリは理解するが、ハイエナのような食虫植物を好まない。
ただ、人生35年も生きてくると、
弱者を食べて生き抜く食虫植物もまた、
美しく生きるユリやヒマワリと同じくこの世に存在する、何よりも大事な命であると考えたくなるのだ。
。。。つづく