(この文章はフィクションです。ご了承ください。)
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想いは、時間も空間も超えられる。


















あのひとのことを、好きです。
初めて会ったときから片想いです。










あのひととは、何もなかった。






何かの拍子に、たまたま手が触れただけで、
わたしは顔が熱くなってた。






いい大人になって、
交際経験も1人2人じゃないのに。
なのに、何もなかったひとを、忘れられない。







「もういい加減、忘れなければ」
「前に進まなければ」






そう思って
他の事で氣を紛らわせてみたりするのだけど、
忘れたつもりでいるのだけど、








それでも、ふと浮かんでくる。







思い出すだけで、
未だに自分の心が、揺れることに驚く。
胸のあたりがキュッといたむ。







あのひとの姿。
悪戯っ子みたいな笑顔。






あの目。
頭を撫でられたときの、
髪を梳かす指の感触。














例えば。
いつか一緒に歩いた、ほんの数分の駅までの道。






初夏の爽やかな、
薄い水色の空と、雲と、風と、木々と。





あのひとの横顔と、声と。







わたしのことを心配してくれた、
大切に思ってくれた、
妹に対してするように。






親しみ、愛情、信頼、慈しみ、憧れ…






包み込まれるその空氣を、
今でもありありと思い描ける。







一連のショート・フィルムみたいに。









瞬間が永遠にもなる。
だから、
「あのとき」はずーっとわたしの中に在る。









想いは深く、透明で、
密度の高いもの。
 







ずーっとずーっと、
初夏の淡い初恋みたい。
叶うことはないのだけれど。









そういうことにしておきましょう。


























フィクションですから(*´∀`*)





(ひらたま)