ダイヤのピアス
先日のケラ子とのご飯の日。
高級フレンチだからと頑張ってワンピースを着て、
両耳にお花のカタチのダイヤのピアスをして行った。
ケラ子と会って、フレンチのお店で耳に手を当てると、
ピアスが無い。
落としてしまったのだ・・・。
このピアスは昔々嫁いだ家で馬車馬のように働かされ、楽しみは子供の成長だけで
友達もいなくて、小姑にイビラれまくっていた時に、出会った友達がきっかけで買ったピアス。
その友達は社長夫人で、いつもウフフッって笑って、良い匂いがして
キレイな服を着て、キレイなバッグを持って、高級車に乗っていた。
こんな世界の人もいるんだ。
あの子のような人生を送りたい。
私だって、小さいけど社長夫人だし、普段は馬車馬だけど優雅な時間を過ごして良いよね。
それから、一緒に美味しいものをいっぱい食べて、美味しいお酒もいっぱい飲んで
私の人生が大きく変わった頃、一緒に行った宝石店で買った思い出のピアス。
そのピアスを付けた自分は馬車馬でも、心にすごく余裕ができた気がした。
そんな事を、朝、思い出した。
それから20年近く過ぎ、一度人生をリセットし、再スタートして
また社長夫人になっているのだけど、友達のような暮らしには程遠くあくせく働いている。
働いてはいるけれど、美味しいものを食べて、美味しいお酒はガンガン飲めている。
高級なバッグは買えないけど、ほど良いバッグは買える。
高級車じゃないけど、自分の軽自動車を乗り回せる。
そして、何よりも毎日楽しく過ごせている。
これで良いじゃないか。
どこかで落ちてしまったダイヤのピアス。
長い間ありがとう。