先日、テレビ東京のワールドビジネスサテライトを見ていると

紙卸問屋の社長が印象に残ることを言っていました。


「この価格競争で誰が得をしましたか?

 誰も得をしていませんよ。」


今、ティッシュペーパーの卸売価格と販売価格は史上最安値だそうです。

しかも、両者の価格はほぼ接近しています。


具体的に説明すると、5箱約200円でメーカーは卸問屋に売ります。

卸問屋は5箱約200円でドラッグストアに売ります。

ドラッグストアは5箱約200円で消費者に売ります。


つまり、卸問屋に利益はほとんどないのです。

メーカー側も作れば作るほど赤字だそうです。


そこまで切り詰めて価格競争・コストダウンをこの数年したそうです。

デフレのせいもあると思いますが。


何が言いたいのかと言うと、業界全体の熾烈な価格競争・コストダウンは誰も得をしないかもしれないということです。


低コストな企業が生き残ることは十分に承知しています。

しかし、業界全体があまりに熾烈に価格競争・コストダウンを行うと、各企業が利益を得づらい状況になっていき、そのツケは突然、消費者に回ってくるのかもしれません。


先日、製紙メーカーは25%の値上げを表明しました。

正常な価格に戻すことが主旨らしいです。

製紙業界は値上げでひとまずの落ち着きを見せそうです。