「 別れよう。」
素っ気なくたった一文で終わらせるメールが届いた時は怒りや悲しみを通り越して情けない気持ちでいっぱいだった。
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わたしらが出会ったのは一年の入学式、道に迷った美優紀を助けたんがきっかけ。んで2年の頃一緒のクラスになり、知っていく内にお互い惹かれ合った。
それから三年の確か、枯れ葉が落ちる肌寒い時期やったかな…
なんか嫌な予感はしとったんや。
美優紀からのメールに 「 そうやな。」って淡白に返し携帯を閉じた。
仕方ないとは思っとった、うちは部活ばっかで全く構ってやる時間も無かった。優先順位で言えば美優紀は何時も後回し。
それでか、わからんけど別れを告げられる前からずっと避けられとる気はしとった。でも時間がある時は一緒に帰っとったし、デートやって部活が休みやったら遊んどったつもりやった。でもそんなんも断られる事が多くなってた。
みんなは、わたしが奥手やからって絶対何も出来ひんとかいじってたけど、
ちゃんと手も繋いだし、キスやってした。
それなりにわたしは充実しとった。
でもそれはわたしだけの一方的な感情で、美優紀の気持ちなんて考えてなかった。
… わたしは、この頃まだ幼かったんや。いろんな意味で全部。
わたしがもっと美優紀と向き合ってればわたしへの想いはまだ残ってたんやろか。
でも他にも理由はあった。…メールや。
こんな大事な話をあんな簡単にかつ簡潔に纏められた文のたった一行や。
わたしは呆れて理由も聞く気力すら無かった。わたしらの想い出はそんなあっさりした言葉で終われるもんやったんか。ってね。
そしたら、引き留めるんも馬鹿馬鹿しいって思ったんや。
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まーちゅんに美優紀がイジメにあっていたと聞いたのはそれから少しして冬の進路で忙しい時期やった。
「 みるきーは、彩と付き合ってすぐにイジメにあってたんや。… 脅されとった。" 彩と別れろ "って、でもな必死で耐えててん。彩にも言うなってわたしも口止めされてた。でも今の二人見とったら我慢出来ひん。やっぱり、彩はみるきーが居ら … 」
「 …もうええねん。もう終わった事や。進路も有るし丁度良かったんや。こうなる運命やったんやと思う。 」
「 さやか っ… 」
何で気付かへんかったん?美優紀の事は知っとるつもりやった。
なあ、わたしは今まで美優紀の何を見て来たんや…。
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大学に入って2年。
わたしは大阪を離れて東京の大学に進学した。初めは慣れへん事が多くて全く遊ぶ余裕なんてなかった。
慣れ始めてから高校の同窓会が有ると言う知らせのハガキが届いた。
「 おー!彩久しぶりやん!元気にしとった?」
「 ほんまや!なんや急激に成長したな。顎。」
「 おう。久しぶりやなー!っおい肩幅、誰が顎出てんねん。」
「 あはっは、相変わらずで良かったわ。」
「 まーちゅんもな。」
ほんまは行かん方向やったけど、丁度サークルの休みが被って断る理由が無く、久々に見る顔触れに懐かしさも覚えた。
「 ごめん、遅れちゃった。…席空いてる? 」
「 お。みるきー!昨日振りやんな。あ、席は多分奥しか空いてへんわ 」
懐かしい声が響く店内。わたしが聞き間違えるはずがない。
完全に美優紀の存在を忘れとった。いや多分心の奥底で存在を消そうとしてたんかな…。
「 あ、彩ちゃんやん!ほな彩ちゃん隣座ろうーっと。」
「 …っ 」
なんでよりによって、隣に来るん?まだ席は空いとるやろ。
でも久々に見る顔は全然変わってなくてあのあどけない笑顔も何も変わってへんのやな。
って何を気持ち悪いこと言ってるんや、自分。
まさかこんな所で再会するとは思ってへんかった。…会いたくなかったから東京へ逃げたんや。
隣に座るんは今も未練たらたらで片想いしてる好きな人で嬉しさと悲しさ半分で入り混じった気持ちは虫の居所が悪かった。
「 んんっ … 」
「 あ、彩ちゃん起きた?大丈夫?お水淹れてくるな。」
「 … 美優、紀? 」
目を覚ませば頭は痛いし何故かみんなの声が聞こえたあの騒がしい居酒屋は何処へやら。
眉間皺寄せ重たい身体を起こせばそこは生活感の溢れる部屋に、美優紀が居る。
…へ?
全く頭がついて行けへん。なんで美優紀の家に居るん?
「 はい。…彩ちゃん、酔っ払うから連れて来るん大変やったんやでー 」
「 … 有難う。え、ほんま? …ご、御免。」
水を一口飲んだ。そしたら少しは酔いが冷めて 思い出した…。確かわたしは、美優紀が来てから気を紛らわす為に何枚もビールや酎ハイをがぶ飲みしたんや。
美優紀の話によるとわたしがノンストップで飲み進めるからみんな止めに入ったみたいやけど、案の定真面に歩けへんかったみたいや。
彩は東京で一人暮らしやし… 泊まる所無いやろうし隣に居た美優紀がとばっちりを喰らい今に至る…ーらしい。
「 でも懐かしいな… こうやって話すんもいつ振りやろな? 」
「 … ああ、せやな。」
「 東京って、彩ちゃんももう染まってしまったんかー 」
「 …美優紀、今まで御免な。…気付いてあげれんくてほんますまんかった。」
「 …へ?、彩ちゃん どないしたん、急に。 」
「 …辛かったやんな。もう、隠さんでええねん。嫌な思いばっかさせて… 」
「 っ…なん、で。何なん?…ちゃうよ、嫌な事ばっかやなかった。わたしは、彩ちゃんと居る時は何もかも忘れられたんや。彩ちゃんと居るんが一番の楽しみやった。」
久しぶりにこんなに真面に話すのは別れて以来やった。イジメの話は触れては行けない腫れ物やったかもしれへん。初めその話を切り出した時、知らん振りしてるつもりやけど顔に出とった。
「 なぁ …それは期待してもええん?」
「 え? 」
「 …わたし、まだ美優紀の事好きやねん。」
「 …っ 」
「 わたしが守ったる。美優紀にどんな事があっても助けたる。… 今更かもしれへん、未練たらたらで気持ち悪いって思うかもしれへんけど、もう一度…付き合ってくれへんかな?」
「 っ彩ちゃん!!」
抱き着く美優紀の頬に一筋の涙が光った。…もう絶対に離さへんよ。どんな事があっても美優紀の味方やから。
「 …美優紀、好きやで。」
そっと唇を重ねた。久しぶりのキスは少し甘酸っぱかった。
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投票があった、さやみる漸く書き終えました!
全て彩視点でしたが… どうでしょうか?
イジメが原因で別れた後の彩の気持ちなどを綴ったつもりです。
最後は長すがかと思って削ってしまって訳が分からなくなってないか心配ですが、是非楽しんで頂けたらと思います。
では失礼します!