2024年10冊目

4月25日

『慈雨』柚月裕子


うわぁ。面白かったぁぁぁ。
こんなに面白いとは思わなかった。
重いテーマなんだけど、なんかとても心が温まる。
そしてただのミステリーではない。
さすが柚月裕子さん。


あらすじ

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。旅先で知った少女誘拐事件は、16年前に自らが捜査にあたった事件に酷似していた。手掛かりのない捜査状況に悩む後輩に協力しながら、神場の胸には過去の事件への悔恨があった。場所を隔て、時を経て、世代をまたぎ、織り成される物語。事件の真相、そして明らかになる事実とは。安易なジャンル分けを許さない、芳醇たる味わいのミステリー。













以下、ネタバレあり
今回はなかなかのネタバレなのかもなので、これから読む人は以下は読まないことをオススメします。


















警察官を定年退職して、妻と四国遍路に行くその目的。
過去、自分が逮捕した人が冤罪かもしれないとずっと心にひっかかっている。
旅の途中で、酷似した事件が起きる。
もしかしたら真犯人かもしれないと気になりながら旅をする。
旅を続けながら前の事件の詳細が描かれたり、娘の幸知のことなどが描かれている。
本当の娘ではないというのは途中でなんとなく、あっ!そうなんだって気がつくんだけど、ネタバレとかそういう感じではない。
物語も佳境、お遍路旅も終わりになる頃に、神場が旅の途中で入った喫茶店で捜査のヒントを思いつき、かつての部下(今は娘の交際相手)に連絡してトントン拍子に進んでいく。
もう先が気になって気になって仕方なくて一気に読んでしまった。
犯人の任意同行で物語は終わり、本当に犯人なのか過去の事件の真犯人なのかまでは描かれていない。ここはもう私の想像力にお任せしますパターン。
それでもとてもスッキリとして、心が温かくなるお話でした。