※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

この番外編1は、付き合ってすぐの頃のおはなしです。

 

 

Side:N
 

 ボロボロになったオレにリーダーが「付き合おう」って言ってくれて一夜が明けた。
 眠れなくて、オレが泊まった病院の特別室から、明けゆく空をずっと眺めていた。
 
 
 
 
 この夜明けは、きっと一生忘れない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 主治医の先生は外来診療が始まるずいぶん前に来てくれた。
 病室で病状説明を受け、オレは現実を受け入れた。
 

 病衣から普段着に着替え、昨夜のリーダーとの約束どおりに病室でおとなしく待つ。
 
 
 
 

 しばらくしたら、マネージャーをつれてリーダーがやってきた。
 リーダーはドアを開けるなり駆け寄ってきて、ソファに座っていたオレの顔を上向かせた。
 
 

O「昨日は、よく眠れたか?」
N「ん、眠った」
O「……そうか」
 
 
 両手で包んでいるオレの顔を真上から見下ろしながら、目の下にできているクマをやさしく撫でる。
 明らかに嘘だとわかるだろうに、なんにも言わない。
 
 視界の端に見えたマネージャーは、後ろを向いて見ないようにしてくれている。
 
 

 ひとしきり撫でて満足したらしいリーダーが手を離した。
 
 
O「じゃ、帰ろう」
N「うん」
 
 
 横に置いていた荷物を持とうとしたら、先に取られた。
 代わりに手を差し出される。
 
 どうしたらいいのかわからずに戸惑っていたら、強引に繋がれた。
 
 
 
N「リ、リーダー……」
O「いいから」
 
 
 優しく、でも強い目で見つめられ、それ以上は何も言えなかった。
 
 

 マネージャーが先に出て、中にいるオレたちに合図をくれた。
 その後、誰にも見つからないようにスタッフ専用通路を使わせてもらった。
 
 
 
 
 
 
 
 

 マネージャーに自宅まで送ってもらい、リーダーと一緒に降りた。
 「早く、早く」と急かされ、初めてリーダーを自宅にあげた。
 
 

 その日から、リーダーは毎日オレの顔を見に来てくれるようになった。
 どんなに仕事が忙しくても、必ずオレの家に寄って、日付が変わる前に帰っていく。

 そんな日々が続き、一ヶ月ほどしてようやく痣がメイクで隠れるくらいまでになった。
 リーダーにも確認してもらい、やっと仕事に復帰できることになった。
 
 
 
 

 事務所の偉い人と一緒に関係各所にお詫びにまわって、オレの生活は日常に戻った。
 事情を知らない相葉さんと潤くんは、なんにも聞かないでオレに「おかえり」って言ってくれた。
 
 その優しさを感じて、療養期間中にリーダーの元カノと会って決意したことを再度こころに深く刻んだ。