※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O

 
 
 翔くんは、何を言ってるんだ?
 
 
 頭で理解するよりも先に、体が震えだした。
 このところ、ずっと纏わりついていた不安が噴出する。
 
 
 
 
 カズが……いなくなる?
 
 
 
 目の前がまっ黒に塗りつぶされた。
 
 
 
 真っ先に感じたのは――、怒り。
 足が勝手に動いてカズのところへ行く。
 
 
 
 

O「ふざけんなっ!」
N「っっ!!」
 
 
 蹲っているカズの両腕を強く握りしめて、前後に揺さぶった。
 大きな声とか、乱暴な仕草とか、絶対にしたらダメだってことさえ思い出せなかった。
 
 
 カズも、震えている。
 守ってやるはずのおれがカズを震えさせている。
 
 気づいた翔くんが、咄嗟におれをカズから引き離した。
 だけどおれは、カズに向かって叫ぶ。
 
 
 
 
O「いなくなるってなんだよ!おれを捨てるだけじゃ飽き足らず、顔さえ見たくねえってことかよ!」
N「ちがっ……」
O「おれ、やっとわかったんだよ。おまえが好きだって」
 
 
 感情が高ぶって、コントロールができない。
 目の前の視界が歪んでいく。
 
 気づいたら、あとからあとから涙があふれてた。
 カズがいない世界でどうやって生きろっていうんだよ。
 
 
 
 
 
O「……勘弁してくれよ。おれにチャンスさえくれないのかよ」
 
 
 翔くんに後ろから羽交い絞めにされながら、すがるようにカズを見つめた。