※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:N

 


N「おええええ」

 

 

飲み会の途中でトイレにこもり、胃が空っぽになるまで吐いた。

自分の許容量を超えて飲んでいる自覚はあったんだ。
「ヤバい」と思い、とっさに抜け出した。


出入り口の近くの席にいたから、誰にも気づかれなかったのは不幸中の幸いだ。

 

 


N「……かっこわりい」

 

 

独り言ちて、抱きついていた便座から立ち上がり、ふらふらと個室を出る。

 

……口の中が気持ち悪い。

 

 

 


ザ――ッ

 

 

口の中を濯ぎ、排水溝に沿ってできた渦を見つめる。

 

 


『大野さんがあなたの隣にいてあげるのは、優しさからなんですからね!勘違いしないでくださいよ!』

 

 


ついさっき、飲み会の場にいた集団から言われた。

 

 

N「わかってますよーだ」

 

 

自嘲気味につぶやいて顔を上げる。
目の前にある鏡にオレが映っていた。

 

 

N「辛気臭いツラしてんなよ」

 

 

口の中を濯いだはずだが、サッパリとしないのはこの辛気臭い顔のせいなんだろうか……。

 

バシャッ!バシャッ!

 

気持ちを切り替えたくて勢いよく洗ったら、顔だけじゃなく前髪もシャツも濡れてしまった。
髪をかきあげ、もう一度鏡を見る。

 

 

N「水も滴るいい男……なわけないか」

 

 

相変わらずの情けない……ただの酔っ払いだ。

一つ息を吐き、体重をかけていた手洗いから離れ、真っ直ぐ立とうとした。

 

……が、自分で思うよりも足にきてたみたいで、よろけた。
2~3歩後退したら、壁に背中がぶつかった。
そのまま支えきれずにズルズルとへたり込む。

 

 

N「オレ、何やってんだろ……」

 

 

見上げた先にある照明がぼやけている。

 

まずい……。
意識が遠のいていく……。

もう、どうなってもいっか……。

 

 

オレは意識を手放した―ー。