※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O

 


 今までのコンサートとは、全く違う。
 
 すべてがキラキラと輝いて見える。
 おれの内面の問題だということは、痛いほどわかっていた。
 
 
 目に焼き付けるように、いろんなところを見る。
 
 
 
 ふと、カズと目が合った。
 カズは驚いた顔をしたが、にっこりと笑ってくれた。
 
 嬉しかったから、時間を空けてもう一度カズを見る。
 そしたら、カズはおれを見ていた。
 カズが笑う。
 

 そのあとも、何度カズを見ても、カズはおれを見ていた。
 
 
 

 だから、気づいた。
 
 カズはこうやって、ずっとおれを見ていたのだ。
 おれを一人にしないように。
 何かあっても、フォローができるように。
 

 おれが、葛藤している間、おまえはずっと寄り添ってくれてたんだな。
 何にも言わないで、ただただ側にいてくれた。
 

 強烈に「逃げたい」と思っていた気持ちが、薄らいでいく。
 
 
 
 
 おれはようやく、嵐でいつづけることに覚悟が決まった。
 
 そして、
 
 カズへの思いからも逃げない。
 
 
 
 いつか、思いを告げる日が来るかはわからないけど、
 
 今は
 
 側にいられることが、この上もなく幸せなんだ。