※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:O
――2009年。
初の連ドラ主演から、時間を空けずに次のドラマが決まった。
今度は単独主演ドラマだ。
正直、自由を拘束されるのはやっぱり嫌だったし、ドラマの異様な雰囲気の中、歌を歌うのにも抵抗があった。
だが、カズが見るから無様なことはできない。
正直、自由を拘束されるのはやっぱり嫌だったし、ドラマの異様な雰囲気の中、歌を歌うのにも抵抗があった。
だが、カズが見るから無様なことはできない。
撮影が始まってから、第7話で翔くんがゲスト出演することが決まった。
撮影の前日に翔くんから『明日はよろしくね』というメールが届いた。
翔くんらしくて、思わず笑ってしまった。
翔くんらしくて、思わず笑ってしまった。
翔くんとのシーンが終わった後、スタッフが気を使って少し長めの休憩を用意してくれたから、翔くんと2人で昼飯を食べに外に出る。
S「どう?もう慣れた?」
O「んー、どうだろ?よく分んないや」
S「分んないって、智君らしいけど、もうドラマ終わっちゃうよ」
オレの微妙な反応に苦笑いする翔くん。
O「ねぇ、忙しいのになんでゲスト出演なんかしてくれたの?」
S「あー。えっとね……」
S「あー。えっとね……」
なんだか言いにくそうにしていたから、食べることに集中しようとした。
S「……本当は口止めされてたんだけど」
翔くんが口止めされていること自体を言うということは、話すことを決めたということだ。
オレは箸をおいて、翔くんを見る。
オレは箸をおいて、翔くんを見る。
S「俺にゲスト出演してくれって言ったの、ニノなんだ」
O「?」
S「本当は自分が出たかったみたいだけど、さすがに2回連続は不自然だからって、俺がお願いされた」
O「なんでそこまで」
S「うん。なんか智くんのこと心配みたい」
O「?」
S「本当は自分が出たかったみたいだけど、さすがに2回連続は不自然だからって、俺がお願いされた」
O「なんでそこまで」
S「うん。なんか智くんのこと心配みたい」
年下に心配されて、普通なら情けなく感じるところだか、カズがオレのことを気にしているということが純粋にうれしかった。
S「あっ!ことばが足らないね。もちろん、演技が不安とかそんなことじゃないよ」
慌てた翔くんが面白くて笑った。
O「わかってるよ」
肩を撫でおろした翔くんは先を続ける。
S「なんかね、漠然とした不安があるみたい。常に確認してないと消えてしまいそうで怖いんだって」
どきっとした。
カズはさすがだ。よく人を見ている。
カズはさすがだ。よく人を見ている。
S「あっ!今気付いたんだけど、そう考えればこの間の24時間テレビでニノが手紙で読んだことに納得がいく。あんなに素直にことばにするなんてどうしたんだろうって思ってたんだよね」
どうしよう、嬉しい。
顔が熱い。
S「ニノなりに一生懸命頑張ってたんだろうね」
しんみりとした翔くんのことばに、ますます熱が上がる。
S「……もしかしたらだけど、ずっと前からそんなだったのかもしんない」
O「えっ?」
S「ニノがハリウッドに撮影に行った時期だったから…2006年くらいかな?出発直前に泣きそうな顔しながら、俺に言ってたんだよ。『リーダーから絶対に目を離さないで』って」
O「えっ?」
S「ニノがハリウッドに撮影に行った時期だったから…2006年くらいかな?出発直前に泣きそうな顔しながら、俺に言ってたんだよ。『リーダーから絶対に目を離さないで』って」
なんてことだ。
カズは、最初からわかっていたんだ。
カズは、最初からわかっていたんだ。
S「わっ!どうしたの!俺、なんかマズイこと言った?」
翔くんに指摘されて気づいた。
自分が泣いていたことに。
自分が泣いていたことに。
O「おれ、なにやってるんだろ。リーダーなのに、年上なのに、カズに心配ばっかりかけて情けない」
はじめて本気で反省した。
まだまだ葛藤は消えないけど、自分の中で折り合いをつけれるように努力しようと思った。
この頃は、レギュラー番組が増えたせいもあり、毎日がめまぐるしく過ぎていった。
それでも、おれは少しでも周りをみるように努力を続けた。
そして、十周年記念のコンサートツアーが始まった――。