※注意!妄想です!BLです!苦手な方はお戻りください。
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Side:S
 

S「おはようございます。嵐の櫻井でございます」
 
 
 現在、コンサートツアーの真っただなか。
 俺たちは大勢のスタッフ達と一緒に、地方のホテルに宿泊している。
 

 時刻は早朝の6時――。
 
 昨日はリハーサルと最終調整を遅くまでやっていたから、みんながホテルに戻ったのは日付をとっくに越えていた。
 
 そんな貴重な睡眠時間を削って、俺が起きた理由、それは――。
 

S「えー、ただ今から寝起きドッキリを決行したいと思います」
 
 
 そう、アイドルだったら一度は通らなければならない、試練だ。
 
 実はさっき、俺もスタッフに奇襲をかけられた。
 だが、あまりの寝相の悪さと、放送できないような様相を呈していた為、速攻で没になった。
 
 スタッフも最初からそんな気がしていたらしく、あえて俺を一番にして、つなぎの部分がスムーズにいくように考えていたらしい……。
 確かに、スタッフには頭が下がるんだが、俺の立場って……。
 
 まあ、余談はそこまでにして、1人目に行っちゃおう♪
 

 まずは、相葉くん。
 彼は、過去にホテルの廊下で寝ていたという逸話を持つ猛者だから、廊下に寝ていないか確認しながら部屋に近づいた。
 
 ドアの鍵をカードで開け、床に居ないかを気にしながら進む。
 どうやら今回はすなおにベッドに寝ているみたいだ。
 
 俺は勢いよく、相葉君が寝ているベッドの掛布団をめくった。
 
 
 

S「おはようございます!朝です」
 
 
 カッと目を開けた相葉君は、俺の顔を見て蒼白になった。
 そのまま、すごい勢いで両肩を掴まれる。
 
 
A「翔ちゃん!夜這いなんて、紳士のすることじゃないよ!おれに「好きだ」って言う方が先でしょ!見損なったよ!」
 
 
 言いながら、声を上げて泣き始めた。
 盛大な勘違いをしている相葉君は、周囲の様子がわかっていない。
 
 
S「アホかっ!気色わりいこと言うなっ!これをよく見ろ」
 
 
 俺は慌てて、『ドッキリ』と大きく表示されたプラカードを相葉君の目の前に突き付けた。
 相葉君は涙に濡れた目で、文字を読む。
 
 
A「どっ……き…り?」
S「そう!寝起きドッキリ」
A「よっ……よかった!翔ちゃんが何も言わないで、おれを知らない世界に連れて行こうとしてるって思って、どきどきしちゃったよ」
 
 

 ――相葉君が、わからない。
 
 じゃあ、なにか?
 俺がちゃんと手順を踏んで、告白さえすればオマエは拒否しないのか……。
 
 これ以上は考えたくない。
 たぶん、俺たちは大宮たちのせいで感覚がおかしくなっている。
 

 次だ、次。
 サクサク行くぞ。
 2人目、ニノ!
 ……ニノ。
 
 カードキーを差し込み、赤いランプが緑に変わった。
 俺たち一行は、少々尻込みしながらドアノブを内側に押す――。
 
 
 ガン!
 
 
S「……」
 
 
 ドアロックに阻まれた。
 うん、俺もそんな気がしてたんだ。
 だって、ニノだもんな。
 
 驚くというより、むしろ安心した。
 これぞ、ヤラセじゃない、リアル感だ。
 
 それに、仕返しの方が怖い気がするんだよな。
 ニノに関しては……。
 
 スタッフも含め、俺たちはアッサリと諦めて、3人目の智君の部屋に移動した――。