現代の高校生以上の剣道の試合を見ると心がザワザワするのです。
小中学生なら「元気でよろしい」と見ておれるのですが、体格も良くなってくると「しばきあい」に見えてくる。
いえ、京都大会のような演武としての立合などは比較的穏やかに見れるのです(中にはザワザワする立合も混ざってくるのですが)。
しかし、八段の試合でさえ、街中でケンカを見たような胸がザワザワする試合もあります。
昔の全日本大会や明治村大会などの昭和の映像はじっくり見れて感動もするのですが。
今の剣道は、何かが全く違う。
美しさと言いますか、気品といいますか、相手への敬意といいますか、明らかに違う。
昔の映像を見て思うのは次のようなことです。
・「受け」「守り」になる瞬間が本当に少ない。受けた場面は必ず応じ技、返し技に繋げている。 それにより多種多様な技が見られる。
・試合が比較的短時間で決する。
・「一本勝ち」というのが少なく、互いに一本一本になっての三本目の勝負も真っ向勝負。
・「ライン際で相手を押しだそうとする」などの反則狙いの所作がない。
竹刀を打ち落とす場合も反則狙いではなく、打つために打ち落としている
・打突後のオーバーリアクション(打突後に審判をキョロキョロ見ながら走り回る、「やってやったぜ」という歩き方で開始線に戻る等)がない。
まだまだあるのですが、現代剣道では真逆。
・両者共に防御態勢になりながら打突もなしに鍔迫り合いになることの常態化
・試合がダラダラと長い。防御しながら隙をうかがう試合運び。
・「一本勝ち」で試合時間を逃げ切ることが常態化(「反則一回取られてもいいから逃げ切る」という恥ずべき態度を指導者も選手に求めている)
・反則狙いで、「相手の竹刀を叩き落とす」「ライン際で相手を押しだそうとする」などの所作が目立ち、実際に相手の反則になってしまう(反則を取るなら試合の公正を害している選手の方だろうと思う)。
・打突後のオーバーリアクション(打突後に審判をキョロキョロ見ながら走り回る等)が目立つ。応援も、全く良くない打ちにも拍手喝采。
こういうの見ると、心がザワザワして、気分が悪くなってしまって気が滅入るので、試合を見に会場に行くのが嫌になっている自分がおります。必ず目にすることになるので。
我が子に剣道をさせてないのはそんな場面を見るのを避けているのかもしれない。
「剣道はいいぞ~」と言ってやれてないのですよ。
「試合なんてなければいい」というのが本音です。立合の演武会だけでいいと思うのです。
評価される事柄が、潔さ、動き合理性、美しさ、しなやかさ等になって欲しいものです。
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