両者が気迫満々でぶつかり合うのは見ていて興奮しますね。

 

ボクシングでも、相撲でも、プロレスでも、もちろん剣道でも。

 

それには力強さや派手さがあります。

 

でも、武道が目指す心身の使い方は、そこじゃないように思います。

 

大工や左官などでもそうですが、職人の熟練の技というのは派手さはなく、洗練された美しささえ感じます。

 

武道で目指すべきは、むしろこういった職人の熟練の技、名人芸のようなものではないだろうかと考えています。

 

合気道の塩田剛三さんの映像を見ると、触れた相手は吹っ飛んでいくんですが、塩田剛三さん自身の動きは、滑らかで角がなく、派手さがない(吹っ飛んでいく人に派手さがある)。

 

演武として多人数を相手にしているのを見ると、パフォーマンス的な要素もあり一見派手ではありますが、塩田剛三さんの動きそのものには派手さがありません。

 

相手と正面衝突してる感じもありません。

 

ただ、スッと相手より先に相手の間に入り、相手が何もできなくなってしまうか相手が思い存分やったのにあっさり無力化してしまう名人芸。

 

剣道では近いものを感じる先生はおられますが、よく見れば動作の根本原理が違います。(違いが分かるようになるまで時間がかかりました)

 

日本中を隅から隅まで探せばおられるのでしょうが、私にはまだ見本となる剣道をされている方を見つけられていません。(どこかで密かにやってるはずだと思っているのですが)

 

今のところ、他の武道から学んで我流で練っていくしかないのが私の現状です。

 

「剣道をやめて、ほかの武道に専念すればいいじゃないか」という意見もあるでしょうが、剣道で体現したいのです。

本来、剣道にもあったはずと信じていますから。

 

精進、精進。