剣道では、いろんな先生が皆さん異口同音におっしゃる指導がたくさんあります。
左足は右足を超えるな、大きな声を出せ、左手の握りは小指薬指で締めろ、左足のひかがみを伸ばしておけ、踵は紙一枚分上げて母指球で立て・・・・・・などなど無数にあります。
初心者の間は、素直に先生の指導に従うことが上達の早道ではあります。
でも、四段、五段ぐらいからは、色んな教えを「本当か?」と自分で検証することが大切に思います。
インターネットなどで色んな動画が見られますが、古い剣道の動画と現代剣道の動画を見比べると動きが全然違っていたりします。
古くから伝わる色んな教えが、正確に伝わっているなら、昔と今でも動きは同じはずではないですか?
なのに、実際は違う。 いったいどういうことなんでしょう。
先人の教えが、たくさんの人を介しているうちに、本来の教えと違って伝わってしまっているのではないかと思うわけです。
まさに、伝言ゲームです。
人は、自分が今わかる範囲で勝手な解釈をして納得してしまう傾向がありますから要注意です。
例えば、「左足は右足を超えるな」ですが、日本剣道形は歩むように足を運ぶので、この教えは日本剣道形には当てはまりません。
これを指摘すると「竹刀と刀は違う。竹刀は押切り、刀は引き切りだから」と説明されたりするのですが、そういう説明をする先生でも「竹刀は刀の代用だ」なんてダブルスタンダードなことをおっしゃったりします。
まず人間の骨格と筋肉の本来の働きを良く勉強して、五輪書など昔から伝わる教えの意味を自分の体で確かめる研究をしてほしいと思います。
これこそ「稽古」。
先生のいうことだけ鵜呑みにしてたのでは「稽古」には足らないと思います。