『すなはまのバレリーナ』 | クラバートのブログ

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2010~すきまの時間に読んだ大切な本たち(絵本・児童書中心)のなかから選んで、紹介します。小学校の図書室を16年勤務後、現在も読み続けています。

2021年秋に亡くなら日本バレエ界の指導者・牧阿佐美さんに捧げ絵本です。作者・川島京子さん牧阿佐美さんから伺っておようです。

 

約100年前、ロシア人バレリーナ・パヴロアさんが鎌倉七里ガ浜に日本初のバレエ学校を開いた話と、パブロアさんに見込まれた牧阿佐美さんの母・橘秋子さんのがんばり!日本のバレエ教育に尽力された話が描かれています。タイトルの『すなはまのバレリーナ』の「すなはま」は七里ガ浜のことですね。ちょっと疲れたなと思うとき、ふいに行きたくなる大好きな海辺です。

 

第二次世界大戦中、パヴロアさんはバレエ学校を続けるために「霧島エリ子」と名前を替え、着物を着て、さらに戦地慰問願い出て中国で踊られ、その地で命を落とされたそうです。作者は「先生は、自分の名前をかえたり、戦地で兵隊の前でおどったりすることを、けっして、心からのぞんではいなかっと思う。」ときちんと記されています。

 

さめやゆきさんびやかなイラストは、心のひだくすぐります。

 

作者・画家をはじめ、この絵本を世に送り出した方々の愛が感じられす。バレエを習っている方もそうでない方もぜひ。