『ウッレのスキーのたび 』 | クラバートのブログ

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2010~すきまの時間に読んだ大切な本たち(絵本・児童書中心)のなかから選んで、紹介します。小学校の図書室を16年勤務後、現在も読み続けています。

ウッレは六歳のお誕生日に父さんから新しい本物のスキーをもらいました。雪が降るのを待って待って、待ちわびて、クリスマス前のある日、外はやっと「あつい雪のふとんをすっぽりかぶりました」。「ベッドの上で三回もでんぐりがえりをしてしまうほど」喜んでひとり森の大きな広場へ向かいます。

ウッレはそこで「頭の先から足の先まで、きらきらと白くかがやく」霜じいさんに出会い、導かれて森の中の冬王さまの城へ。城中、子どもたちとスキーをしたり雪遊びに興じたり・・・。(子どもたちがウッレと遊びたがっていたことスキー自慢をするところが子どもらしくていいなあと思いました。)満足感を持っておうちへ戻ると「あまりにもたのしい出来事がたくさんおこったので、夕ごはんもろくにのどをとおらないほどでした。」

クリスマスに霜じいさんから思いがけない贈り物が届き、長い冬が終わりを告げますと、雪どけばあさんの季節に移ります。素敵な結びです。

ウッレの喜びは、まるで自分のことのよう。毎年冬を迎えるころに開いてみたい絵本です。