マザーグースのような言葉遊びを含んだ短いお話もベスコフの手にかかると、素敵な画集に仕上がります。自然のおおらかさを含んだ、それでいて端整な印象を受ける絵に、今までどれだけ慰められ、後押しされたことでしょう。本書もデビュー作にして完結、完成された印象を受けました。
【ポターの『ピーターラビットのおはなし』が出版される4年前、1897年に出版されたスウェーデンの絵本作家エルサ・ベスコフ23歳のデビュー作です。前年にストックホルム開催されたウォルター・クレイン展に着想を得て、昔おばあちゃんから聞いたお話を絵本にしたそうです。
最後の一文「でもね やっぱり そのうちに おばあちゃんちへ かえったとおもいますよ。」は初版から50年たってから作者がつけ加えたという心配りなどほほえましいエピソードに出会えました。(訳者 石井登志子さんのあとがきによる)
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