おもちゃ屋のショーウインドウに並べられてしまった本物のトムテ(小人)・ヌッセは人形の振りをして「おとなの 見ているときは あいかわらず じっとしていましたが、子どもだけになると、顔をしかめたり、うなずいたり、ウインクしたり」。ぜんまい仕掛けの人形だと思われ、たちまちその前に子どもたちが集まってきます。
クリスマス、ヌッセは自分で望んで、病気のスバンセの家へ買われていき、喜んだスバンセは日に日に元気になります。お別れがやってきますと、ヌッセは独りぼっちになってしまうスバンセを心配して友達を作るよう企てます。ヌッセは情に厚いやさしいトムテです。
ベスコフの文にささめやゆきさんのイラストをつけた作品です。
絵と文がピタリとあっていて画家と編集者には頭が下がります。
中学年の子が一日で読みきれる楽しいお話で、人を選ばない手渡しやすい一冊です。