花粉症は「寒」と「熱」の観点から、ざっくりと2タイプに分けることができます。
花粉症において、漢方薬の治療を行う場合には、どちらのタイプになるかということも重要な要素となります。
「寒」の花粉症は、かぜの初期と似た症状が特徴。
身体が冷え、顔色も白く、透明で水っぽい鼻水が出るのが特徴です。
口が渇くことはありません。
漢方薬で言えば小青竜湯などが、この寒証タイプに用いられます。
「熱」の花粉症は、風邪の初期・中期と似た症状が現れます。
顔色は赤っぽく、黄色く濃い鼻水や痰、目の充血、皮膚の赤みなどの症状となります。
口の渇きも見られます。
漢方薬で言えば辛夷清肺湯などが、この熱証タイプに使用されます。
熱タイプと寒タイプのどちらにも当てはまる症状があり、どちらのタイプかよくわからないという場合があります。
そんな場合、入浴すると症状が悪化するか治まるかということで、漠然とですが判断材料にすることもできます。
入浴して身体が温まると症状が悪化する場合は熱タイプ、緩和する場合は寒タイプということになります。
漢方では寒性の症状のときは温める、逆に熱性の症状のときは熱を冷まして治療を行います。
また、最初は寒タイプの症状が出ていても、だんだん温かくなるにつれて、熱タイプの症状に変わってくることも多々あります。
じっくりと、今現在の自分の体が発する声に耳を傾け、上手に判断していきましょう。
東洋医学では色々な観点から、体質や症状に合った改善方法を選びます。
一概に花粉症といっても、他の人と全く一緒の薬を使うわけではないというところが、漢方薬の特色であり興味深いところでもあるのです。