こんにちは。
糸島薬局の古賀です。
「一物全体」という言葉があります。
一物全体とはありのままの姿で、
分割されていないこと。
食養で使われることが多い言葉です。
「全体」は「部分」の総和ではありません。
たとえば、
大根は白い部分だけでなく、
葉っぱの部分も含めて、大根です。
白い部分、つまり「大根の一部」だけでは、
本来の大根の栄養をすべて得ることはできません。
葉っぱの部分にもたくさんの栄養が含まれています。
そして、大根を丸ごといただいた時に、
つまり「全体」が、「全体」としてあるとき、
部分の総和を上回る特別な働きをするのです。
米は白米を食べています。
こうしたあり方は、「部分食」にすぎません。
いろいろな食べ物の「全体」は、栄養学でもまだわからない、
いのちのためになる働きをしてくれる。
なるべく何でも丸ごと食べたほうがいいという考え方、
それが「一物全体」の考え方です。
長寿で知られる沖縄の食は、
豚肉をよく食べることが挙げられます。
本土と違い、
沖縄では胴体の肉以外にも、
耳や足まで残さず丸ごと食べる食文化があるそうです。
穀物を精白しないこと、野菜の皮をむかずに使うことや、
根菜でも葉を用いること、小さい魚を丸ごと食べること。
いのちをいただくこと、
一物全体の精神を心がけましょう。