こんにちは。糸島薬局の古賀です。
前回に引き続き、梅雨時期の不調の原因である湿邪について・・・
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湿邪には外湿(がいしつ)と内湿(ないしつ)の2つの病因があります。
外湿とは、大気中の湿度が高くなった時に、これが邪気となって身体を侵すものを示し、内湿は体内で水分が停滞して侵されるものを指します。
湿邪は重く下に沈む、停滞するといった特徴があります。そのため、一度取りつかれるとなかなか抜けていかない、症状が続くといったことが起こります。陰陽では陰の邪にあたるもので、陽気の動きを鈍らせます。
湿邪が身体にたまると、気・血・津液の動きが停滞によって上手く体内を巡らなくなってしまうので、頭や体がだるくて重い、体がむくむといった症状が現れます。また、分泌物が多いジュクジュクとした皮膚症状や尿の濁り、残尿感、排尿痛が現れることもあります。
身体の水分代謝が悪化してしまうのです。
そして、五臓の中で脾胃が水分代謝には重要です。
脾胃は食物を消化吸収し、栄養や水分を全身に運ぶと同時に、体内の水分代謝の管理をする働きを持っています。脾胃の機能が低下すると、外から入ってくる湿=外湿を取り除くことができなくなって、内湿を生じてしまいます。
内湿が生じることで、脾胃の機能はさらに低下してしまい、消化吸収の働きも落ちて、軟便や下痢を生じることになります。
五行説では梅雨は土=脾の時期に当たります。脾胃が影響を受けやすい時期で、脾胃を元気に保ち、内湿を生まないようにすることがポイントです。
(続く)
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