おとといの大相撲中継の中入り後の解説は元太寿山の花籠親方だった。

 太寿山は中学校卒業の春場所入門で、今場所で入門から50年を迎えた。

 来月で65歳になると言うことで、相撲人生を振り返りながらの解説だったが、全盛時の千代の富士に勝った映像など過去の懐かしい映像も紹介されていたのでとても興味深く見ることができた。

 今まで解説を聞いたことがなかったが、とても慣れた口調で話され、聞きやすかった。

 向正面の解説は、自身が所属している高田川部屋の師匠・元安芸乃島と言うこともあり、部屋の中の話も聞くこともできて良かった。 

 太寿山は三賞を4回(殊勲1、敢闘3)受賞し、金星は7個あるが、そのうち北の湖から4回、千代の富士から3回と言うのも凄い。

 放送では、同じ部屋に同期の若嶋津がいたからお互い刺激し合って成長できたと言っていたが、かつて若嶋津も同じことを言っていた。太寿山が十両に上がるのも幕内に上がるのも若嶋津より1場所早かっただけなので、お互い出世を意識していたのが良くわかる。

 最高位では若嶋津より劣るが、91年まで現役を続けられたのも努力だと思う。

 引退後は、花籠を襲名し、部屋を持ち、光龍などを関取に育て上げた。

 その後部屋を閉鎖して高田川部屋へ移籍したが、輪島が廃業して以来途絶えていた名門の部屋を復活させた功績は大きかった。花籠部屋は秋田出身の大の海が興し、初代若乃花と輪島の大横綱が育った部屋だけにまたいつの日か再興されることを期待している。

 現在、高田川部屋は、竜電を初め、湘南乃海、輝、白鷹山と4人の関取がいるが、花籠親方が部屋を閉鎖し、師匠とともに指導に当たっているからこそ力士がたくさん育っているはず。

 もうすぐ65歳を迎え、4月からは再雇用となるが、部屋付きの親方として今後も指導力を期待したい。

 本人が希望すればもう5年協会には残れるが、中学校卒業から50年間とりあえずお疲れ様。