自分の生き方は、自分で決めた!

そう思わない人もいるだろうけど、

私はそう思っている。

いや 思っていた。


でも結局、一人暮らしをする自信も無く、

祖父母の家に入り、

おじいちゃんの決めたレールに乗ろうとしている自分がいる。

昨日、会社の資料を持ってきてくれた男性は私の恋愛対象にはなりえない。


心がひかれない。そう思っている。

私のその思いも、時がたつと本当に覆ることもあるのだろうか?

彼が資料を家に持ってきて、

おじいちゃんとしばらく話をしているのを見て、

不安が過ぎった。


私の話が出てきているわけじゃない。

来たついでに、現在の会社の状況について

彼が何か提案している様子で、

つまり純粋に仕事の話をしているだけなのに、

私がの住んでいる家に、

若い男性がいるという状況に、

なれていないからだろうけど、

つまり免疫がないからだろうけど。

今しも おじいちゃんが、

私のことをどう思うかと、聞き出すのじゃないかと、

独りで、どきどきしていた。


そんなとき、おじいちゃんが

「どう思う?」

と私の方を指差して、彼に問う声が耳に飛び込んできた。

結局私の早とちりだったのだけど、

ただ おじいちゃんは、私が会社員になることが、

出来僧かどうか、彼に聞きたかっただけだったのに。


私は

「何でもかんでもおじいちゃんが

 決めないでよ!結婚相手くらい自分で探すから!」

って 大きな声を出してしまっていた。

二番目の女でも幸せになれるのかな

彼は何事かと素っ頓狂な顔で私を見上げ、

「どうしたの?」

と自分の口元に左手をあてたのだけど、

なんとその左手の薬指には、指輪が…

とんだ勘違いだ。

もうはずかしくてはずかしくて

穴があったら入りたいってこのことだって、

私は、何もいわずに二階の私の部屋に、逃げ込んだ。

彼が帰った後、おじいちゃんが、

私の部屋のドアをノックした。

私がドアを開けると、おじいちゃんは、

「お前の結婚のことは、お前が考えればいい。

 そこまでわしの言いなりになる必要は無い。

 今度の人事のことでも、お前が本当にどうしても

 嫌なら、やめてもいい。」

そう言った。

まあ 人事の件は、

もう後戻りするのは難しいところにあるような気はするが、

「でもな、お前のおかあさんも…」

おじいちゃんは言いかけた言葉を飲み込んだ。

でも私にはなんとなく分かった。

お母さんはおじいちゃんの会社には、あえて入らず、

他の職場で私のお父さんになる人と出会い、

恋愛して結婚した。

おじいちゃんは反対だったことを

聞いたことがある。

心のどこかで、もっと強く反対しておけばお父さんとの結婚をあきらめて、

夫になった男に、

あんな逝かれ方をされずに済んだのではないか?

そう思っているのかもしれない。


だから、おかあさんの話を言いかけたのだろう。

でも私がここにいるのは、

お父さんとお母さんが結婚してくれたおかげだ。

お母さんの行動を否定することは、

私の存在を否定することになる。

だから言いかけて止めた。

本当にそう思ったかどうかはわからないけど、

私はそう想像した。

過去を悔やんでも、今は変わらない。

だから未来を変えるしかないんだ。

生きるって難しい。