人生で最初に制作した服はオーガンジーのワンピースだった。

装苑で作り方だけ載っているのを、原型という言葉も知らずにただそれがどうしても着たくて作ってみたのだ。

売っていなかったので作るしかなかったのだ。

 

もちろん最初からオーガンジーの生地なんて手に負えるはずもなく、何がぐちゃぐちゃな布の塊が出来上がった。

 

最初そんな感じで失敗したけれど、結局今でも時々服を縫っているので楽しかったのだと思う。

 

駅でエスカレーターに乗った時、前の若い女性がパンツルックの上にオーガンジーのワンピースを重ねていた。

 

ああ、流行が一周したんだなと思った。

普通こういうとき「年を取ったな」と感じるものなんだろうけれども、特にそれは感じず、ただその娘が見ているであろう新鮮な世界が羨ましかった。

 

話は変わって、加藤シゲアキが寄稿しているというのでメンズノンノを買った。

 

今流行のスタイルはどんな感じかなーと見ているのだが、マッチョな体に甘いマスクの韓国系から、鍛えていない細い体にちょっとナイーブな顔の乗った文化系な感じに流行が変わってきていて面白いと思った。