女性の感情労働はもはやタダでは無くなった。

と言うことなんだと思う。

 

出待ちという人種が居る。

知らない人にはなんのこっちゃいなという感じかもしれないが、出待ちというのは実はチケットを買わない人種なのである。

それは単に追っかけに夢中になりすぎて経済活動が追いつかずお金が無いからというのも有るし、単純に出待ち対策でお客さんの追い出しが始まる前に飛び出してくる対象を待ち構ええるためと言うのもある。

 

ある女性芸人さんが引退されるそうだ。

自分たちの美醜ばかりが俎上に上がり、ネタを正当に評価してもらえないということが嫌気がさした大きな理由だそうだ。

聞くところによると、キモい出待ちの男性ファンがいたとかいないとか。

 

中年期になると説教くさくなるのは、これはもう人間の性である。

若い人はどうしたって自分より未熟に見えるからである。

問題はそれを自覚しているかどうかだ。

人間には「あなたはすごい」と思われたい欲求が有る。

それは人間が社会で生きているからであるが、社会的に孤立するほどこのすごいと思われたい欲求は強くなるというのが私の実感である。

簡単に言うと寂しい人間ほど説教くさくなるということである。

 

その女性芸人さんはそうとは言っていないが、私は「ろくに見てもいない芸に口を出す説教くさい中高年男性」が居たんじゃ無いかなと勘ぐっている。

 

アイドルだったら裏でぼろくそに言っていたとしても、客前ではニコニコとしていてくれる。

客だから、というと語弊がある。

だいたいそういう客は金払いが悪いからである。

もめると面倒だからである。

狂気には勝てないから、無難にやり過ごそうというのがその心である。

ニコニコ笑顔でいるというのは感情労働である。

好きな男の前では女はいくらでも笑顔が出る物だが、嫌いな男に笑顔で接するのは感情をすり減らすマイナスの行動である。

だから感情「労働」と言うのである。

 

アイドルはまあ、感情労働するのも仕事のうちだろう。

 

だが芸人さんとなると微妙である。

女性芸能人はあんまりニコニコ愛想良くしすぎると、前記の様な「感情労働搾取おじさん」がうようよ沸いてきてしまう。

搾取していくだけなら良いが、芸の邪魔となるとどうにもならない。

負債がどんどん溜まってしまう。

だからこういう一芸仕事はこういう感情搾取おじさんをしっかりグリップしなければいけないのである。

そうでなければ仕事を続けられない。

それも仕事の一部なのである。

感情労働はタダでは無いことをしっかり教えて育てていくしかないのである。

それは是非の問題では無い。

美しく生まれたことをどのように自分の人生に反映させて行くのかと同じで、主義思想の世界である。

いやなら止めるしかない。

それは是非ではなくそういうものなのだ。

 

 

これから日本人はどんどん減り続けるので、必然的に女性はどんどん社会進出していくことになる。

女性も才を生かして働くとなったら、その分感情労働はタダでは無くなったことを中高年男性に教えて行かなければならないのだろうな。

誰がやるんだそれ。

私か。

 

うーむ。