米国で5月1日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の後

急激に円高傾向が進み一時は1ドル153円台にまで上昇しました。

パウエル議長が今後の利上げに否定的であり利下げを示唆したタイミングで

日本がドル売り円買いの為替介入を実施したためと推測されています。

この記事に付いたコメントを見てみると

日本の当局によるドル売り円買い介入だったとすれば良いタイミングを選んだ

と書かれていますが、自分もその通りと思っています・・・ところで

この為替介入は誰が行っているのでしょうか?

今更ながら、その仕組みを調べてみましたところ

次のような図表がありました。

日本では財務省が為替介入の決定を行い日銀が介入事務を行うようです。

その詳しい流れを示す図表もありました。

この図表にある外為特会とは外国為替資金特別会計のこと、外貨準備とも言われます。

厳密に言うと、外貨準備とは為替介入に使用する資金であり財務省と日銀が保有し

そのうち、財務省の保有分が外国為替資金特別会計ですが。

https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/intl/g08.htm

この外貨準備がどれくらいあるか、2024年3月末時点で1,290,606百万ドル!

百万ドル=1.5億円とすると、実に、193.5兆円にも達します。

先日の為替介入の規模が5兆円程度、今回の為替介入の規模も5兆円程度とすれば

両方合わせて10兆円程度を使用したことになりますが

それくらいで日本の外貨準備はビクともしないでしょう。

 

さて、ここからが全くの私見です。

 

報道を見ていると

「日銀が招いた円安を財務省が為替介入でフォローしている」

との見解があり、自分も前者について日銀、またしても、円安を誘導!で指摘したばかり。
そして、ドルをどんどん売ればよい!と思っていますので
先日と今回のドル売り円買いの為替介入には賛成、財務省はよくやっていると思います。
やはり、不審であったのは日銀、円安を誘導するような声明は必要だったのか?
妻は言いました、「日銀の総裁は頭がいい人ではないの?」と。
その通り、日銀の総裁になるくらいの人物が賢明でないわけがない・・・はず。
果たして、今回の一連の動きは日本にとってプラスであったのか?マイナスであったのか?

そもそも、日本はドルをたくさん持っていても米国への配慮で売りたくても売れない

あるいは、日本がドルを売却するとドルが下落するのでドルを大量に保有する日本も損をする

と言われることがあります。

しかし、日銀による急激な円安誘導は日本がドルを売却する大義名分を生みました。

その一方、財務省は高くなったところでドルを売却することができました。

日米金利差は依然として大きいため日本のドル売りでドルが少々下落しても暴落はしません。

今回の一連の動きは日本にとってプラスであり日銀と財務省の巧妙な演出だった?!