京都市交響楽団第639回定期演奏会の感想 京都コンサートホール 2019年10月11日 |   kinuzabuの日々・・・

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京都市交響楽団第639回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール、2019年10月11日。

 


指揮はラルフ・ワイケルト
曲目はモーツァルト作曲交響曲第35番「ハフナー」とブルックナー作曲交響曲第4番「ロマンティック」


ブルックナーは大好きだけど、実演を聴くのは結構少ない。「ロマンティック」はたぶん朝比奈さんの時代から聴いてないと思う。超の付く久々の実演。実に楽しみ。


さて一曲目、「ハフナー」。すごくキッチリしていて、メリハリが効く。小回りが心地よく、すっきりしている。とても気持ちよく聴けて大変楽しめた。

指揮棒はふんわりしているのに、音にエッジが立っていたのが面白かった。


休憩後は「ロマンティック」。明るいブルックナー。木管の色彩豊かなきらめきが極めて美しい。ブルックナーらしくないかもしれないが、今回の音楽の全体の印象を決めていたと思う。

構成も従来のブルックナーの音を積み上げるような感覚は薄く、主題を次々に披露していくという感じで、音を横に広げていく音楽という印象をもった。各声部はクリアで、楽器ごとに何をやっているかがよくわかった。

といって、音が沸き上がるような強い弦や、金管、ホルンの咆哮はすごい。特にホルン独奏のうまさが際立った。こんなだから至る所にある管弦楽一体となった全強奏はとてつもない迫力で、ブルックナーを聴く醍醐味を存分に味わえた。

そして、最後は音を積み上げて、ブルックナーの強固な音楽世界を構築し、大音響とともに音が消えた。しばらく拍手はなかった。そして盛大な拍手、ブラボー!


いいブルックナーを聴けた。なによりも指揮者が形作る音楽が大変素晴らしい。そして京響がすごい。こんなにも精緻で迫力のあるブルックナーを聴けるというのはとてもうれしい。

といいつつ、唯一の不満をいうと、ホルンが4人だったこと。他の音の迫力に負けていたように感じた。8人だったら、もっとよかったのになあ。

あんなにすごい演奏だったのに不満を書くのも不遜だけど、大変すばらしい演奏だったのは間違いない。また、京響のブルックナーを聴きたい!