随分前のことだが、必要に迫られてライ麦パンを作ることになった。
ライ麦パンなんて日本にほとんどない頃で、あるのは輸入食材店の輸入品ぐらい。材料なんて日本にはない。仕方がないので、材料とレシピをドイツから送ってもらった。
すると、これまで見たことも聞いたこともないものがあった。
液体サワー種である。
送ってもらった材料の中に、スティック状の袋の束があり、袋を1本取り出して破るとすごく臭い白い液体が出てくる。これが液体サワー種で、ライ麦パンを発酵させる酵母なのだった。ライ麦粉にこれと他の材料を混ぜて捏ねる。捏ねるといっても普通のパンのように捏ねるのではなく、混ぜつつけるといった方がいい。
いつまでもどろどろとしたままの塊なので、わけも分からず浅い皿に移しておくと、そのうち発酵して緩やかに膨らむ。結構長い時間経過した後にオーブンに入れて焼くと、ライ麦パンが焼きあがる。
焼けたのはいいが、これでいいのかどうか全く分からなかった。食べても酸味に閉口して美味しいとは思わなかった。参考にいくつかライ麦パンを買ってみて食べてみたが、味に関してはそこそこ合格なのかなと思った。
材料さえあれば、結構簡単にできるパンなのかもしれない。
今日、JR京都伊勢丹でライ麦粉を売っているのを見た。
それも何種類もあった。全粒粉もあった。いやすごいなーと思っていたらレシピを書いた紙切れを置いていたので、見てみると、ライ麦パンの材料に「サワー****(記憶が曖昧)」と書いてあったので、ここに液体サワー種が置いてあるのかなと思って探してみたが無かった。
ないなら、レシピに書くなよー
家に帰って、サワー種って売っているものなのか、ネットで少し調べてみた。すると乾燥サワー種というのは売っていた。もしかしたら、先の売り場にも乾燥サワー種を売っていたのかもしれない。
でも、ネットでは液体サワー種は見つからなかった。ただ、自家製のサワー種でパンを作っているという人はいるようだ。
ライ麦パンは今では日本でもいろんなところでも売られて、食べ方も知られるようになっているが、自分で作ろうとするとまだ壁があるのかな。でも、乾燥サワー種があるのだから、十分に市民権を得ていると考えていいのかもしれない。