kinuzabuの日々・・・

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      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

京都市交響楽団、第709回定期演奏会に行ってきた。会場は京都コンサートホール、2026年3月20日。



曲目
モーツァルト作曲 歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』(演奏会形式)

指揮:沖澤のどか

フィオルディリージ:隠岐彩夏
ドラベッラ:山下裕賀
フェランド:糸賀修平
グリエルモ:大西宇宙
デスピーナ:鵜木絵里
ドン・アルフォンソ:宮本益光

合唱:京響コーラス

日本語字幕:桂米團治
舞台構成:宮本益光


以前、沼尻さん指揮の『サロメ』を聴いて以来の京響定期演奏会でのオペラ。今回は沖澤さんの指揮で、モーツァルトのオペラをどう料理するか楽しみ。


早速公演について。

歌手は大変良かった。本当に良かった。

フィオルディリージ役の隠岐彩夏さんは大変響き渡る声、ドラベッラ役の山下裕賀さんはしっかりした声、フェランド役の糸賀修平さんは輝やかしい声、グリエルモ役の大西宇宙さんはどすの効いた強い声、デスピーナ役の鵜木絵里さんは七色の声、ドン・アルフォンソ役の宮本益光さんはふくよかな声。

皆さん、安定して声もしっかり出て、聴いていてとても気持ちよい。独唱だけでなく、数ある重唱もそろって美しい。これだけの歌手をそろえてくるとは恐れ入った。

演技も面白くて、鵜木さんデスピーナがいろいろやって笑わせてくれた。また、結婚がばれた時の隠岐さんと山下さんの顔が忘れられない。

沖澤さんの指揮は、整った音で調子よく生き生きとしていて、第1幕はまずまず、第2幕はさらに勢いを増して、モーツァルトのオペラを聴く醍醐味を感じた。

京響の管弦楽は、美しくて輝きがあって、小編成でもいつもながらすばらしい。

京響コーラスの合唱も、しっかりまとまって、力も十分。

音楽的には、大変充実していた。


これに、桂米團治さん作成の関西弁の字幕が加わって面白さが増した。関西弁だけでなく、西洋の人物等を日本の文化に置き換えて笑わせてくれた。「美の玉三郎」とかあったな。


美しくて、迫力があって、生き生きとして、面白いコンサート。定期演奏会でこれだけ楽しませてくれるなんて、さすが京響、やってくれるな。

今月は、びわ湖で『トゥーランドット』、京都で『コジ・ファン・トゥッテ』と素晴らしいオペラ公演を2つもを楽しめた。関西の京都寄りだけで、こんなことってあるんだ。

近場で良いオペラに出会えた。なんと贅沢なことか。京響には是非ともまた定期演奏会でオペラを取り上げてほしい。今から次のオペラを心待ちにしている。





 

奈良、東大寺二月堂で行われる、修二会(お水取り)のお松明を見に行ってきた。2026年3月9日。



お松明は、私は数年に一度見に行っている。前回は2023年だったかな。

当日は、天気は晴れ、風もなく穏やかだったが、気温は下がり直前は結構寒かった。お松明は19時からだが、早め早めの行動をしていたら、予定より早く15時半に現地に着いてしまい、二月堂下の芝生の竹柵内に入る人の行列で50番目ぐらいになった。

17時に竹柵内に入場。これだけ前だと見物場所は選び放題で、折角だから最前列に行った。最前列は迫力はあるが、火の粉を浴びやすく大変らしい。

こんな角度で場所取り。



暗くなると空には星が光り、ここまで来るとこんなに夜空がきれいなんだと思った。カシオペア座をしっかり見たのは、久しぶり。

夜空。カシオペア座がくっきり。



お松明は、修二会を執り行う練行衆を二月堂へ先導する道明かりとして使われる。練行衆は11人だが、3月12日以外は、11人のうち1人はすでに二月堂に入っているので、残り10人分、10本の大松明が上がる(現地の人の説明)。この日も10本を見た。

最初、夜18時半に、小さな松明を持った人が二月堂の階段を上り下りし、次に19時ごろに照明が落されて真っ暗になった中、小さな松明を持った人が2往復してから、いよいよ大松明が階段を上がる。

大松明は練行衆を二月堂にいざなった後には、二月堂の舞台で火の粉を散らす。その様子の写真をここに上げる。


写真その1:北西の角で大松明を回す。


写真その2:南西の角へ移動。


写真その3:南西の角で大松明を回す。



これを10本繰り返す。

私の位置からは、こんな写真も撮れた。

写真その4:北西の角の大松明と、階段を登る次の大松明。


なお、動画も撮っていてyoutubeに2本上げた。

動画その1
動画その2

 


大松明を間近に見て、凄い迫力だった。幸いなことに私の陣取った場所では火の粉はあまり落ちてこなかった。同じ最前列でも、北西の角に近いところで見ていた人は火の粉を大量に浴びたのではないだろうか。

動画を撮ったり写真を撮ったりするうちに、あっという間に10本の松明が上がり、体感的にはすぐに終わってしまった。撮影に気を取られず、もっとゆっくり見ればよかったと思った。まあ、こうなることは見えていたので、最初の一本は、何も撮影せず、しっかり目に焼き付けた。

今年もしっかりお松明を楽しめた。どうぞ、健康でよい年になりますように。

 

 

 

 

びわ湖ホール プロデュースオペラ プッチーニ作曲歌劇『トゥーランドット』の公演に行ってきた。会場はびわ湖ホール。2026年3月7日。



配役表(3月7日のみ観ました)


チケットは取ったものの、直前になって行けなくなりそうになって焦った。なんとか予定をやり繰りして観に行くことができた。

2回の公演のうち、配役的に3月7日のほうがいいかなと思って、こちらだけチケットを取った。以前なら2日とも取っていたけれど、今は国内の演奏会は節約志向なので。1日目がよかったら2日目も観ようかなと思っていたら、両日とも完売になっていた。


さて公演。音楽が圧倒的で、大変すばらしいオペラを堪能できた。

 

 

まずは演出など。

音楽はゆっくり始まり、うわ、このテンポか、と思うほど。合唱の迫力もすばらしい。人数を集めてマスで勝負。衣装や助演の踊りなど見た目もいい。人の表現で上手く舞台を作っている。

格闘の踊りが出てくるが、アニメから出てきたような衣装、動き。

前方に合唱を集め、舞台左右には大きな板を配置し、舞台中央に横に動く紗幕を天井から吊り下げ、左右の板と紗幕、背景に舞台の場に沿った画像が投影されて雰囲気を作る。

1幕の物語で語られる内容は踊り子を配置したり、助演が表現したり、背景に投影されたり、細かく提示される。1幕で歌わないトゥーランドット姫も舞台後方上段に少しだけ現れる。

2幕はピン・パン・ポンは舞台前方のみで歌われ、謎解きの場面になると紗幕が左右に開いて、広い舞台の中央に役人、下手前方(両サイドかも)に平民の合唱が配置され、後方は舞台を上げてそこに皇帝とトゥーランドット姫を配置。下段の平民と上段の天井人を対比させていた。

 

背景に投影される城は、紫禁城だろうけれど、平城京を想起してしまった。

ここで歌われるトゥーランドット姫の歌はむっちゃ強くて、オケ、合唱を飛び越えて美しい歌が響いて迫力満点。ただ、舞台奥の上段から歌うので、客席まで遠くて可愛そうかな。それでもこの力強さを出せるのは凄いと思った。

3幕も同じ装置。「誰も寝てはならぬ」の後トゥーランドット姫は舞台手前の下段に降りてカラフと歌う。最後は、カラフも上段にあがり、天井人となって、ハッピーエンドで終わる。

なお、リューの死で、幕が下りて真っ暗になった。その後幕が上がって続きの舞台が始まった。プッチーニはリューの死まで作曲して亡くなったとされるが、それを意識しているのだろう。

舞台は、全体的には、3幕とも同じ簡素な装置で映像の投影に頼ったものでちょっと物足りないが、細かな人の動きや中国の雰囲気にあふれた衣装はこだわりを持って作り上げていた印象で満足できた。

 


一方、音楽は、このオペラに望みうる最高の歌、管弦楽を聴けた。

題名役の谷明美さんの迫力ある歌が圧倒的。胸に突き刺さるような鋭く強いが、透き通るような美しい声。決して絶叫調にならず音程も安定、オケや合唱を飛び越える力強い歌を聴かせてくれた。理想的なトゥーランドット姫。初めて聴いたがこれからの活躍が大変楽しみな歌手だ。

カラフ役の宮里直樹さんも大変すばらしい。輝かしい歌が会場を満たす。最初の声を聴いて体が震えた。最大の聴きどころ「誰も寝てはならぬ」も迫力満点のまっすぐな歌だった。

リュー役の𠮷川日奈子さんは、1幕の声がもうたまらなく美しくて、可憐で、しかも声が通って、理想のリュー。3幕は力が入ったのか1幕ほどのきらめきは感じなかったけれど、それでも素晴らしい歌を聴けて大満足。

ティムール役の妻屋さんは安定した声だったが、1幕はちょっと単調に聴こえた。一方、3幕は演技も歌も激しくてしっかりと雰囲気を作っていた。

ピン役、パン役、ポン役の晴さん、与儀さん、中井さんは安定して、楽しくて、このオペラの清涼剤だね。役人役の市川さんはもう少し安定感が欲しいところ。


阪哲朗さんの指揮は、出だしの遅いテンポに驚かされたが、テンポを自在に変えながら、物語を劇的に盛り上げていく。しっかりと京響から音を引き出して、気持ちのいいほど鳴らす。

京都市交響楽団の管弦楽は、迫力満点で、プッチーニの複雑な音楽を余すところなく音にしていた。2幕の謎を出すところの鋭さは凄い。多彩な打楽器もばっちり。こんな指揮、管弦楽でこのオペラを楽しめるなんてなんと贅沢なことか。

合唱も、大人数でもしっかりとそろっていて、緊張感の高いド迫力の舞台を作り上げていた。発音が日本語っぽくなるところがわずかにあったが不満はその程度。

 

音楽は、歌手のすばらしさに圧倒され、指揮と管弦楽と合唱の迫力が会場を満たし、ものすごいオペラを味わえた。これだけ音楽に翻弄される公演に接することができて、本当に幸せ。



さすがびわ湖ホールという感じの極めて質の高い迫力満点のオペラを楽しめた。こんなオペラを1年に1回でもやってくれるならもう言うことはない。

 

ただ、この配役で1回だけの公演というのは大変もったいない。オペラへの招待のようにダブルキャストでそれぞれ2回ずつの公演にしてもらえないものかと思ってしまった。

来年は改修工事のため別の場所での公演になるが、ちょっと遠くても是非とも行きたいと思っている。