kinuzabuの日々・・・

  kinuzabuの日々・・・

      徒然なるままに日々のこと、考えていることを書き連ねる

私はいつも、機内持ち込み手荷物の範囲(LCCは利用しない)で海外旅行をしている。

最大の理由は、預入手荷物があると航空券が高くなるとか安い航空券でも別料金を取られたりするから、少しでも節約するため。この範囲で2週間ぐらいの旅行をするにはいくつか工夫が必要なので、どういうことに気を付けているかを書いておく。

また、それとは別に海外旅行に行く際に気を付けていることも追記しておく。

 

 

〇スーツケース

寸法は制限範囲内であることはもちろんだが、重量はとにかく軽いものを使う。機内持ち込み手荷物の重量は航空会社によって違うが、7kg上限の航空会社もあるので、スーツケースが4kgあると、荷物は3kgしか詰めることができなくなる。だからスーツケースの重量は極めて重要。

今はサムソナイトの2kgのスーツケースを利用している。これで5kgの荷物が入れられる。さすがに作りが弱い気がするが、消耗品として考えるしかない。

もっとも、重量上限は決まっているが、会社によっては制限以上に持ち込んでも何も言われないところもあるので、その辺はなんかあいまいではある。一方、エールフランスでは、CDGのターミナル2Eと2FでEU域内、域外関わらず保安検査の前に手荷物の大きさと重量の検査があった。だから、規則以内にしておくに越したことはないだろう。


〇洗濯

荷物を減らすためには、服を減らすのが一番。だから、下着や靴下、Yシャツは最低限だけ持っていき、毎日洗濯する。

基本、洗濯機のないところに泊まるので全て手洗い。シャワーの後にYシャツや下着と靴下、演奏会から帰ってから靴下を洗う。

下着や靴下は、乾きやすいものを使う。具体的には登山用の速乾性の下着、靴下を使っている。Yシャツで速乾性のものは知らないが、少なくともしわがよりにくいように、形状記憶系の物を持っていく。

一番の問題は乾燥で、Yシャツなど手絞りだけでは一晩で乾燥できない物がある。そこで利用するのがバスタオル。バスタオルを広げて洗濯物を並べ、バスタオルを洗濯物ごと巻いたものを、足で踏みつける。そうすることで洗濯物の水分がバスタオルに移って、洗濯物の水分が減る。

おかげでバスタオルは使えず、シャワー後に体を拭くのはフェイスタオルになる。パリでいつも泊まっているホテルのタオルは大きくて分厚いので、洗濯にも体を拭くにも十分だが、そうでないホテルもあるので、この辺はホテル次第。

洗濯でもう一つ重要なのが、物干しである。ヨーロッパのホテルのハンガーは、ひっかけ部がクローゼットに固定されていて、物干しに使えないものが多い。だから、物干し用のハンガーは持参したほうが良い。私は、靴下用、下着用、Yシャツ用の3つを持っていく。冬はズボン下も洗うので、もう一つ必要になる。

最後に洗剤。旅行に使える小口の粉洗剤を使っているが、これが今は液体洗剤に変わりつつあり、粉洗剤は貴重品。液体の持参は面倒なのだが、これからは、液体洗剤を小瓶に入れて持参しないといけないかもしれない。


〇食べ物

基本的に持参しない。ヨーロッパならパンを主食にする。パリではバゲット、クロワッサンがむっちゃうまいのでこれが基本だが、ドイツでもスーパーで売っている安いパンもバカにならない程うまい。バターも安い。これに肉系の総菜と、野菜を買って、ホテルで食べるのが一般的。レストランはあまり使わないが、これは節約のためもあるし、私が量を食べられなくなったこともある。

現地の日本食は食べない。折角ヨーロッパに来ているのだから、口に合わない限り現地の物を食べたいと思っている。市場巡りでいろんな食材を見るのも楽しい。口に合わないものもあるが、そういうものは惜しげもなく捨てる。

唯一持参しているのは羊羹。一口サイズの物。いざという時にカロリー確保になる。ただし、最近はヨーロッパの空港の保安検査で、これは何かと聞かれる場合が多いし、没収されることもあると聞く。持参するならそのつもりで。

 

 

レストランで外食をすることもある



〇カトラリー、ナイフ、ハサミなど

金属製のナイフ、フォークなどのカトラリーやナイフ、5cm以上の歯のハサミは持ち込めないので、持参しない。どうしても必要な時は、現地で購入する。カトラリーは、プラスティック製の物を持参している。没収されてもいいように100均でそろえている。


〇服

スーツは主に音楽祭に行くときには持参する。機内持ち込み手荷物に入れるとかさばるので、着ていく。スーツにしわが付いても気にしない。革靴も履いていき、機内でスリッパに履き替える。

寒い時期は分厚いダウンとコンサート用のジャケット。ダウンは頭上の荷物棚に入れる。

ズボンは普段着用とコンサート用の2本。2週間同じものを着るので、普段着用は多少汚れてもいいものを持参。


〇お土産

なるべく買わない。


〇荷物棚の確保

荷物の重さには関係ないが、機内持ち込みの場合、遅れて搭乗すると荷物棚にスペースが残ってないことがある。それを避けるためには極力早めに搭乗するしかない。搭乗時に早めに列に並んでおくのが吉。

なお、大きめの手荷物は、ゲートで預入手荷物にされてしまうこともある。私の場合は、追加料金は取られなかった。また、欧州域内では、満席なので無料にするから預入にしてくれ、と連絡が来ることもある。



以上、こんな感じで荷物を極力減らし、機内持ち込みで済ませている。でも、最近は血圧計も持参するようになり、荷物の重量が増えているので厄介である。



●以下は機内持ち込み荷物とは関係ない話


〇スマホとネット環境

スマホは2台持っていく。旅行中いろんな場面でスマホが必須で、ゲートの変更もスマホに連絡がきたりするので、これがなくなると旅行を続けること自体難しくなる。事前に2台のスマホのアプリやデータが一致しているか確認する。2台のうち1台は服に入れる。

モバイルネットワーク環境も必要だが、基本的にホテルや空港のwifiを使うので、現地の通信用SIMはそんなに容量は不要。動画は自動で再生しない設定にしているので、2週間の旅行でも1GB程度。

以前は周遊SIMを使っていたが、今は携帯回線に楽天モバイルを使っているので、2GBまで海外でもデータ通信が使え、それだけで済ませている。ただ、ホテルのwifiの電波が届かないところもあるので、その点は用心するに越したことはない。


〇パスポート

パスポートは必ず身に着ける。体に巻き付けたり、首から下げたり。空港などパスポートを使う予定があるときは、斜めがけしたカバンの中に入れるのもありだが、チャックで閉めてさらに簡単に開けられないようしている。飛行機の中でも少なくともパスポートと財布はポケットに入れるなどし荷物には入れない。

なお、万一パスポートを紛失した時に備えて、戸籍謄本(発行から6か月以内)と顔写真は必ず持っていく。


〇クレジットカード等

日本発行のクレジットカードはセキュリティが厳しく、海外での利用は制限されることが多いので、持参するクレジットカード会社に電話して、厳しいセキュリティを緩めてもらう。これをしないといざという時にクレジットカードが使えない場合がある。本当にある。めんどくさいが電話してオペレーターが出るまで長時間待つしかない。

ただ、最近は、海外ではクレジットカードではなく為替手数料が有利なWISE(デビットカード)を使うことが多い。これが使えなかったことはネットでも物理カードでもこれまで一度もない。もちろん口座に残高がある場合だが、ユーロである必要はなく、日本円でも残高があれば都度その時点のレートと手数料で自動的に両替して支払ってくれる。


〇旅行保険

クレジットカード付帯の旅行保険を利用している。私が持っているカードは利用付帯なので、JRの乗車券や航空券をカードで買って、控えを旅行に持参している。注意しているのは約款と連絡先で、1~2年に1回は変更されている。だから、ネットにある約款等に書かれている日付を見て持参する書類が最新のものか確認している。

 

なお、英文の付保証明書も持参するようにしている。有効期限が3か月なので、手続きが面倒だが、私のクレジットカードではwebで申請すれば1週間ほどで郵送される。web上で発行してくれるカードもあるらしい。

コロナの頃は旅行付帯以外にも追加で旅行保険に加入していたが、これまで使っていた持病ありでも加入できる安い保険がなくなってしまい、今は加入してない。でも心配だから多少高くても持病ありでも加入できる旅行保険を検討しているところである。


パリでよく泊まるホテルの部屋(本文とは関係ありません)




今、書いておきたいことは以上。他に注意すべき点が出てきたら追記するかもしれない。皆様も安全で良い旅を。

 

2025.12.17追記。




 

京都市交響楽団、第706回定期演奏会を聴いた。会場は京都コンサートホール、2025年11月29日。



指揮者:ジャン=クリストフ・スピノジ
コンサートマスター:町田琴和(客演、ベルリンフィル奏者)

曲目は
ロッシーニ:歌劇『アルジェのイタリア女』序曲
ハイドン:交響曲第82番「熊」
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」


スピノジが京響を振るというので、大変楽しみにしていた公演。スピノジと言えば古楽寄りだと思っていたが、ちゃんとベートーヴェンも振るのね。全部、暗譜で指揮棒なしで振っていた。

プレトークではフランス語でスピーチして、そりゃそうかと思った。言いたいことがいっぱいあって、よくしゃべる。翻訳者も大変だったことだろう。


まずは、ロッシーニ『アルジェのイタリア女』序曲。

弦が12型のオケで、ロッシニーらしい軽やかで突進力のある音楽。それをクリアでテンポよく演奏してくれた。ロッシーニを聴く楽しさが詰まった、気持ちの良い演奏。


次は、ハイドン交響曲第82番「熊」。

弦を10型に減らして演奏。こちらも軽やかでクリアな音楽が進む。私にとってはいつも退屈なハイドンの交響曲もそれなりに楽しめた。

「熊」という副題は第4楽章でコントラバスが跳ねるように低音を出すところからついたものだという話だが、確かに何か大きな動物が飛び出してきそうだった。でもこのご時世「熊」というのは間が悪い。

最後、コーダでは、終わりそうなところで一旦休止を繰り返し、いつ終わるか分からない。何度も休止を繰り返したためか、ブーが出た。でもスピノジはむっちゃ楽しそう。


最後はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」。

弦を12型に戻して演奏。前半の軽やかさから一転して、深い弦で、掘りの深い立体的な音楽空間を作っていた。

実は私はあまりベートーヴェンの交響曲を聴くことがなく、「田園」の実演もこれまで1度か2度しか経験がない。だから、スピノジの指揮がどれだけ面白いか分からないけれど、流麗に流れてほしいところに休止を入れたりしていた。きっと個性的な「田園」だったことだろう。

指揮の間も終始笑顔を絶やさず、すごく楽しそうに指揮する。それを見ているだけで幸せになった。


「田園」含めて、私にとってはあまりなじみのない曲ばかりだったが、期待していたスピノジの指揮を楽しめたと思う。フランス人のエスプリ、というとステレオタイプだとは思うが、そういう楽しい演奏会だった。



 

沼尻竜典指揮、京都市交響楽団の演奏で、マーラーの交響曲第9番を聴いた。会場はびわ湖ホール。2025年11月23日。



直前まで行くのを考えていた公演。8月にペトレンコ指揮ベルリンフィルの演奏を聴いていたのでその印象に引きずられるのは嫌だなと思ったが、やっぱり行こうと決めたのは、京響のマーラー9番を聴きてみたかったから。


沼尻さんがマイクを持って現れて、今回の演奏などについてスピーチをした後、オケが出てきて演奏開始。コンマスは石田さん。

最初はオケがバラバラでどうなることかと思った。何とか音楽は進行していくが、まとまりがなく、京響にしては珍しいなと思った。プログラムを見ると客演が多い。特にバイオリンの半数が客演。本来の京響ではないのかもしれない。

客演といえば、ホルンの首席も客演だった。この人は良い音を出していたと思う。

オケはなかなかまとまらないが、第3楽章の後半からよくなってきて、聴くほうも乗ってきた。

そして第4楽章。ゆっくり始まったが集中力がこれまでと段違いで、じっくりと音楽をすすめ、マーラーの世界を構築していく。これまで不満が嘘のように管弦楽が一体化して、堀を深めていく。

そして最後のコーダもじっくり、ゆっくり、静かに終わる。感動的な終わり方。

ちょっとフライング拍手がでたが、すぐに消えて、指揮者が指揮棒を降ろすと盛大な拍手が出た。


最初はどうなるかと思ったが、終わり良ければ全て良しか。まあ、マーラーの9番の実演で第4楽章だけすばらしいという演奏には何度か接したことがある。マラ9あるある、という話かな。

不満はあったが、最後は素晴らしい体験ができた。第4楽章に限れば、ベルリンフィルの体験に負けない大変いい演奏だったと思う。聴きに行ってよかった。

びわ湖ホールでの沼尻さんと京響の組み合わせのマーラーシリーズも残すは第2番、第3番だそうだ。できるかどうかわからないと沼尻さんはおっしゃっていたけれど、きっとやってくれに違いない。