”「バラマキ」の定義とは何なのか?” | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

一部抜粋

 

競争である以上、「勝った者」と「負けた者」が明確化されます。特に、競合との顧客獲得競争は、勝ち負けがはっきりします。


 人々が競争で「勝ち組」と「負け組」に区分けされても、社会不安を高めない、要は人々に「ルサンチマン」を貯めこませないためには、どうしたらいいのでしょうか?
「そんなこと、できるの?」
 と、思われた方が多いでしょうが、普通にできますよ。
 

 所得のパイを拡大し、「負け組」であっても「普通」の人生を送れるようにすればいいのです。すなわち、経済成長です。

 

 バブル崩壊まで(厳密には97年まで)の日本では、競争の敗者であってもそれなりの人生を送れた(無論、例外があったのは否定しません。あくまでマクロな話)。バブル期の不動産投資で失敗したとしても、挽回するすべはあった。理由は、国民の所得の合計であるGDPが拡大していったためです。
 

 それが、1997年の橋本緊縮財政により経済がデフレ化。GDPが成長しなくなってしまった。


 インフレ期だろうが、デフレ期だろうが、競争は避けられないのです。競争における「敗北のダメージ」が、デフレ期には特に強烈になる。何しろ、デフレ期の敗者は、
「膨れ上がる所得のパイ(GDP)から、多く分け前をもらえなかった人」
 ではなく、
「拡大しない所得のパイの奪い合いで敗北し、所得を収奪された人」
 になってしまうのです。


 結果的に、ルサンチマンが蓄積され、社会は不安定化していく。日本のデフレが続く以上、我々国民はかつては確かにあった「寛容さ」といった美点を取り戻すことはできません。所得が十分になければ、他者に優しくするのは困難ですよ。