”必要なのは、デフレ脱却!そのための、財政出動!” | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。

 

必要なのは、デフレ脱却!そのための、財政出動!

 

菅首相は、10月26日の「所信表明演説」で、「最低賃金の全国的な引上げに取り組みます」と高らかに宣言した。この「賃上げ」をもう一つの持論である「中小企業改革」によって実現させようとしているようだが、果たしてこの政策はうまくいくのだろうか。
〈「賃金上昇」の重要性に着目したこと自体は全くもって正しい。過去20年以上にわたって日本経済が抱えてきた最大の問題が、「賃金の下落」にあることは間違いないからだ〉
 こう評価するのは、評論家の中野剛志氏だ。だが、その上で、こう指摘する。
「アベノミクス」の下で実質賃金は急落した
〈日本の「実質賃金」は1998年以降、減少傾向にある。それだけではない。安倍前政権によるいわゆる「アベノミクス」の下では、実質賃金はさらに急落し、低迷した。もっとも、安倍前政権もまた、「賃金上昇」を目指してきたはずだ。ところが、実質賃金は民主党政権時を下回る水準まで下落し、低迷したのである〉
〈「どうして過去20年以上にわたって、賃金が下落してきたのか」、とりわけ「なぜアベノミクスは賃金の急落を招いたのか」を反省し、過去20年間の政策から大転換を図らねばならない〉
 その際、中野氏がとくに重視するのは、「賃金主導型の成長戦略」と「利潤主導型の成長戦略」という二つの「成長戦略」の区別だ。
〈「賃金主導型成長戦略」とは、「賃金上昇」を経済成長の推進力とする戦略である。賃金が上昇するのは、人手不足の時である。例えば、高度成長期の日本は、慢性的な人手不足であった。少子高齢化も人手不足を招く。(略)労働組合の力が強く、企業が労働組合の賃上げ要求に応じざるを得ないような状況にあることも、賃金上昇の重要な要因となる。(略)実際、戦後から1970年代までの日本経済は、このような「賃金主導型成長戦略」により、比較的高い成長率を実現していたのである〉(後略)』

 そもそも、1990年台に本格化した構造改革、グローバリズムは、
「国民の賃金を引き下げ、利益を拡大し、株主の配当金を最大化する」
 ことが目的でした。


 日本国民の実質賃金がひたすら落ち込んでいったのは、「政策」の結果に過ぎません。というか、むしろ「政策的な成果」なのです。
 

 構造改革により、「賃金主導型成長戦略」から「利潤主導型成長戦略」に「構造」を変えられた結果が、現在の日本国の衰退なのです。

 

 我々企業経営者が投資をしない(できない)のは、需要、市場、仕事が不足しているためだ。デフレ(総需要不足)なのだから、当たり前だろ。


 必要なのは、デフレ脱却。そのための、財政出動。


 この基本中の基本を早期に国民が共有しない限り、間違いなく「中小企業淘汰&地方銀行再編」路線が進みます。二十一世紀初期、「不良債権問題」燃え上がった時期と同様に、アトキンソンらの「バック」にいる、禿鷹ファンドが舌なめずりをしていることでしょう。