”不足しているのは「国債の発行」だ” | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。

 

不足しているのは「国債の発行」だ

 

日本銀行は、貨幣(日銀当座預金)を発行する場合、市中銀行などに国債(等)を差し入れさせ、市中銀行の日銀当座預金口座の数字を増やします。実際には「紙」は動いておらず、情報が交換され、キーボードで数字が打ち込まれるだけでしょうけれども。


 我々が「日銀の借用証書」である現金紙幣を市中銀行に持ち込むと、銀行預金口座の数字を増やしてもらえるのと同じです。(現金紙幣ではなく、銀行融資の借用証書でも、小切手・約束手形でも可)


 ちなみに、国債はもちろん政府の借用証書ですが、
「政府は国債を発行し、日銀当座預金を借りた」
 という表現と同時に、
「政府は日銀当座預金という日銀の負債を差し入れさせ、国債という貨幣を発行する」
 という言いかたもできるのです。

 

ところで、日銀当座預金や現金紙幣は日銀にとっての負債ですが、
「国債を差し入れさせ、日銀当座預金の残高を増やす」
 以上、日銀のバランスシートの借方と貸方は同時に増えます。すなわち、資産だけが一方的に増えることはありません。
 

 所詮は国内マスコミですから仕方がないのですが、日銀の「資産」の増加は、同時に「負債」としての貨幣も増えたことを意味します。というか、グラフの通り、増えています。


 2013年以降、350兆円もの日銀当座預金を預金取扱機関に発行したにも関わらず、インフレ率はマイナス。なぜ?
 

 それはもちろん、政府が緊縮財政を続け、挙句の果てにコロナ禍で需要が激減したためです。インフレ率は貨幣発行量では決まりません。あくまで、総需要と供給能力のバランスで決まります。

 

 NHKの記事は、実は日本に「くにのしゃっき~んっ!」問題とやらが存在しないことを意味しているのですが、表面的な報道しかしてこない。しかも、肝心の「日銀のバランスシートの負債側」(=貨幣)については、語らない

 

というわけで、わたくしが解説してみました。


 日銀が国債の買い入れを続けている=国債の貨幣化が行われている。それにも関わらず、インフレ率はマイナスに落ち込んでいる。
 すなわち、不足しているのは「国債の発行=財政政策による需要創出」なのですよ。いい加減に理解してください、日本の国会議員の皆さん。