今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。
生産性が低迷している一因は、企業の投資が不足していることです(アトキンソン正しい)。
そして、なぜ我々経営者が投資をしないのかと言えば、デフレ継続で市場が拡大せず、投資しても儲からないためです(アトキンソン間違い)。
決して、アトキンソンの言うような、
「中小企業は保護されすぎている数が多すぎる。競争が不足している」
といった理由ではありません。
デフレが続く限り、企業は投資をせず、生産性は低迷し、国民の実質賃金は下落を続けることになります。資本集約型経済から、労働集約型経済へと落ちぶれていくわけです。
デフレを放置し、アトキンソン式に「中小企業を淘汰する」政策を推進すると、失業が増え、デフレ深刻化が進み、虎の子の技術や人材、ノウハウが失われ、我が国の経済は益々労働集約型になっていくことになります。
特に、地域経済の担い手である中小企業の「淘汰」は、地方を衰退させ、東京一極集中をさらに促進することになります。
国家の安全保障がますます弱体化する上に、少子化が進む。日本人消滅が加速することになるのです。
地方銀行の問題も同じです。
地方銀行に問題があるとすれば、もちろん個々の銀行により違いはあれども、全体的には「借り手が不足していること」です。
何しろ、銀行は借り手である顧客に銀行預金を「発行」し、差し入れてもらった借用証書(貸付金)から金利を得るのがビジネスの基本です。借用証書から得られる金利と、銀行預金に支払う金利との差額が、銀行の「所得」になります。
デフレが継続し、民間の資金需要(借りる意欲)が高まらず、銀行預金の発行ができないとなると、政府がいかなる対策を採ろうとも、地銀の経営は悪化していく一方です。何しろ、「客がいない」のです。
地方銀行の経営を改善したいならば、デフレ脱却を目指すしかない。狂った財政破綻論から脱却し、緊縮財政を転換し、地方の企業の資金需要を高めるしかないのです。
我々中小企業の経営者が、
「カネを借りて投資すれば儲かる!」
という状況にしてくれよ、頼むから。そうすれば、地方銀行のビジネスは嫌でも増えるよ。
矢は三本もいらない。
デフレ脱却という「一本の矢」があればいいのです。
それにも関わらず、相変わらず財務省主導の緊縮財政を転換できず、地方銀行の苦境を、
「地方銀行の数が多すぎるせい。経営統合と淘汰を促す」
と、政府が政策的に推進し、アトキンソンら禿鷹ファンドの「ビジネス」を創り出す。
いや、本当にもう、発展途上国ですよ、我が国は。
なぜ、こんな有様になってしまったのかは、今後、書いていきますが(理由が明確だから)、とりあえず政府に言いたい。
「くだらない三本の矢とかやっている暇があるなら、デフレ脱却という一本の矢を放てよ!」
と。