”構造改革による衰退を食い止めるために” | よくいうかいえ ( Cahier)

よくいうかいえ ( Cahier)

古布リメイク作家のつれづれ日記

今日も三橋貴明氏のブログで政治・経済を学びます。

 

構造改革による衰退を食い止めるために

 

 

ようやく、昨日、自民党幹部(下村博文政調会長)から「第三次補正予算」という言葉が出ましたが、菅政権発足後の、
「改革!改革! 景気対策? 何それ?」
 の空気は、本当に恐るべき濃度です。新政権になったからといって、「統計史上最悪」の経済指標が改善するわけではないのですが。

 

怖いのは、内閣が変わったことで、何となく「リセット気分」になった国民の多くが、今後、激増することが確実な失業、企業倒産に対し、
「んなもんは、自己責任だろ」
 と、戦後最悪のデフレギャップ(需要不足)の状況で言ってのけるほどに、日本国の「ナショナリズム」が壊れていないか、という点です。


 繰り返しますが、いかなる事情があろうとも、同じ国民を見捨てたとき、次に見捨てられるのは「我々」なのですよ。

 

1.日本は平均概念の潜在GDPを採用しているため、潜在成長率は「過去の平均成長率」に過ぎない。潜在成長率を高めたいのであれば、財政政策でデフレギャップを埋め、実際の経済成長率を高めればいい
2.デフレギャップが拡大している我が国において、「供給サイドの政策」(構造改革)を主張するなど、国民経済の基本中の基本である「総需要と供給能力の関係」を理解していないと告白しているに等しい
3.政府の国債発行と日銀の国債買取は、単なる「政府の新規貨幣発行」に過ぎず、「将来の需要の前借」でもなければ、「将来世代に負担を回す」ことでもない。
4.日本経済の潜在力(平均概念の潜在GDPの伸び率)が落ちているのは、政府のデフレ対策が不足し、実際の経済成長率が低迷しているため

 恐らく、アトキンソンにしても、木内にしても、「総需要と供給能力の関係」くらいは理解していると思います。その上で、デフレギャップについては無視する。


 理由は、そうしなければ自分の説が崩壊してしまうためです。


 もっとも、「平均概念の潜在GDP」と「最大概念の潜在GDP」の違いや、正しいデフレ対策、財政政策に基づき、アトキンソンや木内に真っ向から反論できる人は少ないでしょう。残念ながら。


 というわけで、多勢に無勢も良いところですが、わたくしはしつこくこの連中、つまりは、
「デフレ期に、インフレ対策である構造改革を進める構造改革主義者たち」
 に反論していくつもりなのでございます。


 いや、反論というよりは、単に「正しい情報を発信する」に過ぎないのですが、このままでは我が国は「恐慌下で、インフレ対策を強行した」点でも、歴史に名を遺すことになってしまいます。

 長期デフレ期にインフレ対策(構造改革)を推進した愚かな国は知っていますが(日本、と言います)、さすがに恐慌下で「構造改革だ~」などとやった国は聞いたことがない。


 愚かさを歴史のページに刻み込むのと同時に、国民の更なる貧困化、困窮、自殺者の増加、そして国家の衰退、発展途上国化が決定することになります。
 

 そうはさせない。
 

 と、多くの国民が正しい情報に基づき、反対の声を上げない限り、我が国の構造改革と衰退は止まらないでしょう。皆さん、一人一人のご支援が必要です。