今朝の三橋貴明氏のブログから一部抜粋
『レバノン内閣総辞職 首相「爆発は長年の腐敗の結果」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62496720R10C20A8EAF000/
レバノンのディアブ首相は10日、国民向けテレビ演説を行い、内閣が総辞職する意向を表明した。4日に首都ベイルートで起きた爆発後、数千人の市民が政府やエリート層の責任を追及し、大規模なデモ活動を行っていた。後任の首相を巡っては議会の各派やアウン大統領らが協議するとみられる。
ディアブ氏はアウン氏に辞意を伝えた。アウン氏はこれを受け入れ、ディアブ氏に、後継首相が決まるまで暫定政権を率いるよう依頼した。
ディアブ氏は160人以上が死亡した爆発について「長年の政治、行政、国家の腐敗の結果起きた」と述べた。今年1月に発足した自らの政権は腐敗したエリート層が握る政治の構造を変えようと試みたが「孤立無援で、彼らはそろって妨害に回った」と説明した。(後略)』
レバノンは、本ブログでは「供給能力」に焦点を当てて取り上げてきました。
レバノン経済は、国内の供給能力が極端に不足しています。食料品(だけじゃないですが)の大半を輸入に頼っており、恒常的な貿易赤字国でした。
結果、為替レートには常に下落圧力がかかり、これを放置するとLBPはひたすら下落し、輸入インフレで国民が苦しむため、レバノン政府は1ドル=1507LBPの固定為替相場制を採用。
固定為替レートを維持するため、レバノン政府はドル建て国債を発行し、介入を続けましたが、今年3月にギブアップ。
レバノンは、
「供給能力が不足していたが故に、財政破綻に至った」
と、財政破綻の「王道」を辿った、典型的な事例になりました。そして、供給能力が不足するレバノンの「構造の問題」をまざまざと見せつけてくれたのが、先日の爆発事故でした。
レバノンはリストの言う「生産諸力」を強化することが可能な構造になっていない。理由は、政治腐敗というよりは、宗派主義。宗教各派が政治権力を「分け合う」前提の政治構造になっているのです。
国民の宗教がバラバラだったとしても、「同じ国民」としてまとまることは不可能ではないと思います。とはいえ、その場合は政治権力と宗教を切り離す政教分離が不可欠でしょう。
さて、ユーラシアの反対側の島国、歴史的なグローバル国家であったレバノンとは真逆の歴史をたどった日本国では、「日本国民」「皇統」「日本語」というナショナリズムの三本の柱が「民主制で選ばれた政権」により破壊されようとしています。
「国民を分断するグローバリズム路線からの脱却を!」
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