ザウエル・クラウト(シュークルート)の想い出 | よくいうかいえ ( Cahier)

よくいうかいえ ( Cahier)

古布リメイク作家のつれづれ日記


こんにちは、古布リメイク・デザイナー あきやま幾代です。

 
  前に綴ったブログ(特別な瓶詰)にまつわる想い出

チョット、切ない若き日

パリへ出向したのは1972年で

当時はファッションの鈴屋に勤務中でした。

1年程暮してからロンドンに駐在員として住んでいた夫が
パリのシャンゼリーゼ店の出店に伴い
店長として赴任することになり
パリのアパルトマンで一緒に暮す事になるのですが

その暫く前の、バカンスでロンドンからパリへ初めてやって来た夫を
案内しようと、ドイツ料理店で食べて非常に美味しかった
シュークルートを注文しました。

しかし、以前はフランス語が上手な方に
案内された料理を自分のつたないフランス語では
注文が上手く伝わりません・・・


出てきた料理はやはり食べさせたかったのと違います。
仕方なく、ボソボソと食べましたが
私は残念でならなくて、つい愚痴ってしまいます。
明日は、夫はまたロンドンへ戻って行ってしまうのです。
最後の晩餐を美味しく愉しくしたかった期待が大いにハズレ・・・
意気消沈していると
夫は、「イイじゃないか、もう! これでっ」と言いました。
途端に哀しさがこみ上げて涙が溢れてしまいました。

レストランで泣いているなんて・・・
他の人々の目を気にして夫は更に冷たい態度。

夫は明日からロンドンで一人っきりで
悠々と日本人のお宅にホームステイの生活が
待っているのですが、それに引き替え私は・・・


当時、年配の女と(会社から出向を言い渡された
パタンナーさんでしたが
結婚したばかりの若い女性社員である私の
お目付け役でもあったらしく・・・)
非常に厳格な暮しと重圧を強いられるデザインの仕事で
ちっともパリを愉しむゆとりなど無い日常が
辛くて溜まりませんでした。

そのことに夫は憐憫の情が湧かないのでしょう
とても、その事が辛く心に突き刺さりました。

シュークルートはそんな想い出が蘇って来る一皿なのです。

「サンデー毎日の友」は上手にシュークルートを
作ってご馳走してくれます。
その度に、私からこの辛い話を聞かされているかもしれません。

そうそう、本格的なシュークルートを

その友と一緒にストラスブルグの超有名店で
ご馳走になった事があります。

友がパリに4か月間の語学習得の為に渡仏した際に
2週間程、後からパリに滞在しに出掛けた時
昔のボスと連絡が取れて
ボスの暮すナンシーでお世話になった後
ストラスブルグへ案内していただいた折に
その店で見事なシュークルートのコース料理を
二人でご馳走になったのです!


これで、やっとパリでの切ないドイツ・レストランでの
想い出が払拭される事となりました。

「サンデー毎日の友」が聞いていてくれたのですが
その時、きっと「美味しい本物が食べられて良かったね!」って
思ってくれたことでしょう~

食べ物にまつわる話が沢山あります。
食いしん坊の拘りからでしょう。

また思い出したら綴りましょう。






  


ペタしてね読者登録してね


 あきやま幾代・古布リメイク 衣袷ーきぬあわせー Web Site