Saint.Malo(サンマロ)にて’73 | よくいうかいえ ( Cahier)

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古布リメイク作家のつれづれ日記

暑い夏が過ぎて行きました。

10月からの仕事の緊張が始まっていますが
パリの思い出話に繫がる「手長海老」の事をHAJIMEさんブログ
見聞きしたのがきっかけで1973年のアルバムを開いてみました。


パリに赴任した翌年の夏7月、シャンゼリーゼ店のスタッフの故郷が
ブルターニュ地方のサンマロ(Saint Malo) だったので、大勢の仲間に誘われて
終末のドライブに出掛けました。

夜通し走った翌日のランチ・タイム 
なにやら、大勢揃って賑やかに集っています。

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大きな木の下で木漏れ日を浴びながら山盛りの海老を
手つかみでむしりながら豪快に食べています。

兎に角 海老だけ食べた(貝もあったでしょうか・・・)記憶でして、
それが確か小さめの「手長海老」だったと思います。
初めて食べる海老だと言う印象が、強く残っています。

殻をはがしてむしゃぶりつくという感じで、皆お喋りも絶やさず
次々と口に運びます。 (彼らの体力には感心します!)
私は会話も当時はやっとこさついていくという感じだったので
こんなに大勢で賑やかな会話に加わるのは大層、しんどかった記憶があります。
というのも、皆にとっては私は外国人でして「愉しいか?」「美味しいか?」
気になってしまうのは当然でして、スマイルだけでは不十分なので
食べながら、色々とこちらも気を遣います。

でも、美味しかった海老の味覚は記憶に残っています。
脳が覚えているのです!


ここでもう一つ思い出した映画の中の強烈な食事シーン。
「トム・ジョーンズの華麗な冒険」
アルバート・フィニーが女性と向き合って黙々とカニを手づかみで食べる。
それが何とも官能的でして・・・

映画ファンなら記憶に生々しくありませんか?

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これは一晩泊まった翌朝の食事時の様子です。
なんと、スタッフ(名前が出て来ません)のお母様が私達の為に
山ほど積み上げたガレット(そば粉で作ったクレープです、ブルターニュの特産です。)を
用意してくれていました!
洗面器に大雑把にカットしたトマトのサラダやシードル(リンゴの発泡酒)と
ジャムにバターにコーヒーと一緒に頂きました。
Sergeが太いソーセージを焼いていますね!
ガレットで包んで食べたのでしょう。

野の花を摘んで無造作に活けているのもいいものです。
実に皆、良く食べ良く飲み、良くお喋りして いたずらをして大はしゃぎです。

この時にSerge と知り合ったような気がします。
後にパリ鈴屋で共にデザイン活動を担う良き仲間となりました。

今はフランスで有名な若手俳優の良きパパです。

この時、朝顔を洗う為に用意されていた洗面器と水入れのセット(白い琺瑯に花模様)の
正しい使い方が良く分からなくて、戸惑いました。 初めての経験です。
水道が無かったのでしょうか? 


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Serge (ヒゲの男性)はとてもお茶目なキャラでして、ご覧のように自分が着ていた大きな
オーバー・オールに2人で入ってみたり、お腹にクッションを入れて妊婦の振りをしたりして
ずっと、皆を笑わしてくれました。

この時に知り合った若者達は暫くしてそれぞれ、カメラマンやデザイナーとして大成しました。


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海辺の家でした。 磯遊びをしたり、
カジノで遊んだり、カフェでワインを一杯引っ掛けてと
本当に愉しくて仕方ないと言う若者達です。


38年前の素敵な思い出の写真です。
セピア色に変色こそしていませんが、台紙がシミだらけになっています・・・

ちなみにサンマロにいた時はこの海の向こうに世界遺産の一番人気を誇る
モン・サンミッシェルがあったなんて、ここ数年前に気が付いた話です!


確かに、引き潮になると向こうに見える島に歩いて渡れるんだよ、と聞いた気がします・・・

繰り返すようですが、当時は「世界遺産」はまだ存在していなかったのです。




皆さんにご紹介したかった、素敵な若い日の

フランスの友達との記録です。