人間のどうしようもなさを描く上田久美子先生のこと | 片腕の夢は日常

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昨日は

月組「BADDY -悪党(ヤツ)は月からやってくる-」

が、BSで放映されたので録画してサラっとあさりました。

 

大げさかもしれないけれど、

 

これ、伝説になるかもしれないショーだ

 

と思いました。

 

長い宝塚の歴史の中ではわからなけれど

私が観劇を始めてからの短い間には

こんな掟破りな作品はなかったです。

 

でももちろん奇をてらったわけではなく

この作品の世界観を貫くためのものであり、

「ショーはこうでなければならない」という

ある意味思考停止というか惰性というか

当たり前にしていたことから表現として自由になったものであり、

 

かつ絶対になくしてはならない部分はしっかり押さえる。

 

上田先生、いい意味で策士!と思ったし

同時に、宝塚を愛していらっしゃるんだなぁ、とも思いました。

 

ちょっと「悪」の捉え方がわかりやすすぎ!?と思いつつも

ショーだしね、そうするしかないしね、

でもトップスターがワルイコトを率先してやっちゃう、

そんなショーは見た事なくてワクワクした!

「物語」の先生だけあって、

最初から最後のパレードまで

物語が続いていたのもよかった。

 

個人的に嬉しく思ったのは

怒りのグッディからのラインダンス。

芝居でもショーでも、

どちらかというと前時代的に近い描かれ方だったり

男性(役)に寄り添ったり大人しかったりする

宝塚の女(役)たちが

しっかり意志を持ち、怒りを表現する

力強いダンス!

ちょっと感動しましたよ・・・。

 

他にもしびれる場面はありますが

(スイートハート(美弥るりか)がポッキー(月城かなと)に

頬を寄せたまませり下がりとか!上田先生!わかってる!とか

男役群舞の尋常じゃない色気とかっこよさ!わかってる!とか色々)

公演当時ももう私があれこれ言うと逆に良さが伝わらない!と

ばかりに無視を決め込みましたのでw

ここらでやめておきますが

 

上田先生、ショーでもやってくれたなぁ、と

ますますファンになったわけです、はい。

 

そういえば折りしも

少し前に「上田久美子先生お茶会」とファンが呼んだらしい(笑)

京都大学での講演会がありましたが(行きたかった~~(号泣))

(さわりだけ?)BADDYが上映されたそうですね。

 

当日に流れてきたつぶやきは

一通りあさりましたが

読めば読むほど、

ああ、だから好きだし信頼できるんだよ、と思ったし、

 

いつも言ってるけれど

ホント、上田久美子先生って宝塚の良心じゃないかなぁ、と

あらためて感じました。

 

*

ここからは毎度毎度毎度毎度、書いているようなことを

また書きますわ(苦笑)

 

私が先生の作品を愛するのは

やはり人間がちゃんと描かれているからなんですよね。

 

一側面から見ただけではない、多方面から見つめた人間。

だって、人間ってそういうものじゃないですか。

黒と白、善と悪・・・・・そんな風に分けられないじゃん。

いつだって複雑でごちゃごちゃなのが人間じゃん。

でも、そういう複雑さを持つ存在であることを

人は認めたくないものです。

苦手なものや汚いものを見て、それが自分の中にも存在しているものだと、

思いたくなんかない。

だからソレを見て見ぬふりをしたり、

やたら否定したり批難したりする。

でも、上田先生の作品はそこもちゃんと描いてくれるんです。

 

厳しいけど優しいんですよ。

優しいけどとっても厳しい。

 

*

 

ブログに何度も何度も書いた

「星逢一夜」のラストの櫓での泉の台詞

 

あの人はあなたに殺されたに、泉はあなたをなんで殺せん!

 

という叫びに何度も何度も泣いたのは

そこに人間の業を感じたから。

 

そんな泉を、

「金色の砂漠」で

憎むべき相手であるシャハンギールを

愛してしまったアムダリヤを、

 

自分自身も否定したくなるような

愚かな想いを、

上田先生は決して否定しません。

 

だって、それが人間というものだから。

 

たくさん失敗して、傷ついて

悩んで、苦しんで、葛藤する。

自分自身のことが一番わからずに惑う。

それでも自分の道を必死で歩もうとする。

 

そんな人間を描く上田久美子先生の物語は

もしかしたら宝塚という世界にはそぐわないのかも

しれませんが、

だからこそ、絶対に必要な物語なのだと思うんです。

 

自分の葛藤を複雑さを認めたとき、

他人の間違いや

自分との違いを

受け入れることができるのです。

だから、そんな物語が必要なのではないかなぁ、と

思ったりします。

 

皆さん、愛をこめて先生を

ウエクミ・くーみんなどと呼ばれますが

とてもそんな風に呼べないくらい(笑)

私は上田先生が好きです。

FCを作りたいくらいだよ・・・・。

 

宝塚が好きでありながら

ちっとも宝塚の芝居を面白いと思えない私にとっての

上田先生は救世主ですからね。

 

次回作

 

星組「霧深きエルベのほとり」

 

が、本当に楽しみです。

そ、し、て。

どうか次は雪組にご降臨されますように!!!

ちぎみゆ(早霧せいな・咲妃みゆ)の雪組に

最高の物語をくださったように、

今度はだいきほ(望海風斗・真彩希帆)の雪組にも

涎が出て止まらないような物語をください!!!(どんな例えだよ・・・・)