3話 偽ヒロイン②


あの子が転校した後、私はまた一人だった


仮に一人になっても寂しくないと思っていたけど


本を読んでいても

絵を描いていても

音楽を聴いていても

どこか寂しかった


誰かと一緒にいることの楽しさ、面白さを

その子が教えてくれたからだ


だから

中学生になったら変わってみようと思った


あの子のようにみんなと積極的に関わって

誰とでも仲良くできるように努力しよう

そう決めた


人の気持ちを感じ取るのは得意なので

みんなが嫌な思いをしないように

気を配ったりすることは意外にも上手にできた


そのおかげで周りからも慕われるようになったし

優しいと言われることも増えて、友達もできた

クラス委員としてみんなをまとめたりすることもあった


疲れることも多かったがそれはそれで楽しかった


だから中学以来ずっと

そうやって過ごしてきている


こんな私を好きだと言ってくれる男の人もいて

お付き合いしたりもした

でも、作り物の私だから愛されているだけのように思えて

結局うまくいかないことが多かった


本当の自分を見せるのが怖かったのかもしれない


小学生時代を知らない友達は

私がクラスで誰とも話をしないようなタイプの子だったとは

きっと思いもしないだろう