京都の喧騒を離れ、一歩足を踏み入れるとそこは明治の面影を色濃く残す別世界。
現役の官公庁舎としては日本最古の歴史を誇る「京都府庁旧本館」を訪ねました。
地下鉄丸太町駅から少し歩くと、重厚なレンガ造りの建物が姿を現します。
1904年(明治37年)に竣工したこの建物は、均整の取れたルネサンス様式。
白の石材と赤レンガのコントラストが、京都の青い空によく映えます。
玄関先で見上げたアーチや細かな装飾には、当時の職人のこだわりが息づいています。
一歩中に入れば、そこは映画のセットのような世界。磨き込まれた木の階段や、
柔らかな光を落とすガス灯風の照明が、訪れる者を優しく迎えてくれました。
建物の中を進み、廊下の窓越しに、あるいは扉を抜けて辿り着くのが、
この建物の心臓部ともいえる中庭です。
中庭には、有名な「容保桜(かたもりざくら)」が静かに佇んでいます。
私が訪れた時は先始めの季節でしたが、四方を歴史ある建物に囲まれたその空間は、
外の世界の音を遮断し、まるでもののけ姫の森のような、
あるいは古いヨーロッパの修道院のような、不思議な静寂に包まれていました。
旧本館は中庭を取り囲むように庁舎が配置されています。どの廊下を歩いていても、
ふとした瞬間に中庭の緑が目に飛び込んでくる造り。この閉ざされた、
けれど開放的な空間こそが、この建物の最大の魅力かもしれませんね。
中庭をぐるりと取り巻く回廊を歩くと、軋む床の音が心地よく響きます。
京都には数多くの名所がありますが、この旧本館は「観光地」というよりは
「生きた歴史の一部」に触れられる場所ですね。 正面玄関の凛とした空気と、
中庭を包み込む柔らかな光。その対比を楽しみながら、贅沢な時間を
過ごすことができました。
京都へ行くなら、ぜひこの「明治の宝石箱」を覗いてみるのも良いかな☆









