読書感想日記 -2ページ目

読書感想日記

に、しようかなあ
※ネタバレしつつの感想。

読書感想文は面倒になった…

 

【2019】
12/22 ラットマン/道尾秀介


【2020】
01/04 連続殺人鬼カエル男/中山七里
01/20 慟哭/貫井徳郎
01/28 殺人勤務医/大石圭
02/05 死ねばいいのに/京極夏彦
02/09リカ/五十嵐貴久
02/18 闇に香る嘘/下村敦史
03/13 黒い家/貴志祐介
03/22 殺人者はそこにいる/「新潮45」編集部
03/30 殺ったのはおまえだ/「新潮45」編集部
04/10 その時殺しの手が動く/「新潮45」編集部
04/24 殺戮者は二度わらう/「新潮45」編集部
05/16 噂/荻原浩
06/09 絡新婦の理(一)/京極夏彦
06/14 ケースで学ぶ犯罪心理学/越智啓太
06/17 FBI心理分析官
06/25 マインド・コントロール増補改訂版/岡田尊司
07/02 絡新婦の理(二)/京極夏彦
07/13 絡新婦の理(三)/京極夏彦
07/24 絡新婦の理(四)/京極夏彦
08/12 悪魔が殺せとささやいた/「新潮45」編集部

白夜行/東野圭吾

 

桐原亮司と西本雪穂のそれぞれの人生物語だった。接点は多分子供の頃、図書館でと思う。

それ以外二人は別々の人生を歩んでいたんだと思う。

解説を読んでからなるほどと納得してしまった。

確かに二人の感情表現は一切書いてなかった。それもあってか、このとき亮司は雪穂はどんな感情だったんだろうと想像が膨らんだ。読者に委ねてるんだなぁって思った。考えてるなぁ、凄いなぁと読後感は感心しきりだった。

笹垣潤三(刑事)の語った事が全てなんだろうな。笹垣の言う通りなんだろうなぁ。

けど最後、雪穂は冷たいと思った。

亮司の結末も何故それを選んだのか、本当に色々な仮説が立てられる。

意外とそういう結末で亮司は救われたのかもしれない。

二人の会話とか聞いてみたかったなぁ。

 

 

9/27 厭な小説/京極夏彦
【厭な子供】
不気味な子供は結局何だったの?読み終わった後、暫く考え込んでみたけど、さっぱり理解出来なかった。何かの例えか?と思ったけど、そしたら何の例えになるんだ?と読解力がないからさっぱり分からなかった。
それとも例えじゃないってこと?
【厭な老人】
ん?深谷って厭な子供にも出てきたけど…ん?同僚の深谷…?繋がってるの?
おじいさんが老婆になって舞い戻ってきたけど、どういう意味なの?夫もその事知ってたみたいで、最後は黒幕っぽいこと言ってるし、一体どういう事なんだ?
【厭な扉】
また深谷が出てきて…。何か関係があるのか?
ループしてるだけね。自分を殺してるだけね。
あれ、でも、一番最初に撃った時の相手は一体誰だったの?ん?
【厭な先祖】
深谷くんきたー!と思ったら、短編じゃなくて続いてる話しだった。
志村の仏壇だったのが、最後は河合の仏壇になったって事なのかな?だったら、志村が持ってる時は河合のような症状にはならなかったのか?あー、志村は軽薄でバカで空気も読めない人間だから、その症状になる前に河合に無理矢理預けたのか。
【厭な彼女】
深谷は厭な事に巻き込まれたりしないのかな?ここまでは、厭な事に巻き込まれた人物を隣で見ている感じだけど。
厭な事をしまくる彼女は、厭な事を好きな事と捉えて実行してるように思った。けど、前の彼氏は彼女を「化け物」と呼んでいたから、実は本当に化け物の類いなんじゃ…?
【厭な家】
深谷くんは一体何者なんだ!ただの脇役?
厭な事が繰り返される家なんだけど、その原因は何なの?とモヤモヤした。そういう話しなのか?
【厭な小説】
深谷が黒幕なのか?深谷が近くに居るから周りは厭な事に巻き込まれるのか?なんて深読みしたけど、そういう事ねと読み終わって納得した。
話しは繋がってた。そして、次はお前だ…とでも言うように次の厭な事に巻き込まれるのは深谷だって所で終わった。
何だかんだ脇役として出続けてた深谷くんには愛着が湧いちゃって、どうか深谷くんは厭な事に巻き込まれなければいいなと思ってしまった。
厭な小説の主人公になってしまった人に、厭な事が起きたんだと最後読んでそう思った。
そんで、古書店の店主は京極先生本人なんでしょ。作者だし。そうなんでしょ?違うか…

09/29 18禁日記/二宮敦人
うーん、稚拙だったな。
急に狂気的になるから、わざとらしさを感じる作品だった。

10/5 仮面山荘殺人事件/東野圭吾
最後まで何もかも分からなかった!
どういうこと!
大掛かりな事すんね!
まさか主人公が…って思いもしなかった。
婚約者が居るのに、別の女性が気になって…と知った瞬間、今まで好意的な目線だったのが軽蔑するような感情になった。

10/18 倒錯の死角【201号室の女】/折原一

はじめに、文章に慣れるまで読みにくいのなんのって。直ぐに慣れました。

中間辺りから面白くなってきて、そこからはあっという間だった。
最後の方を読み始めて、やっと何が起きてたのかを理解した。
凄かった。騙された。
そして清水ミサ子が全ての原因かと思った。
大沢芳男も中々に危ない奴だった。けど、被害者だよなあとも思ってしまった。
どうしても主人公の方に情が向いてしまって、どうか犯人ではありませんようにって思ってしまう。
いやあしかし、登場人物全員が重要な役柄だった。

いやあしかし、最後まで読んで、なるほどなぁと全ての意味が知れてしばらく感心してた。
 

【精神分析殺人事件/森村誠一】

「精神分析殺人事件」
犯人は宮本高少年だと、私も思っていた。少年は残酷な儀式をやっていたから。
少年は体罰・贔屓が酷すぎる教師の中原みどりが憎いのだろうと、そう推測していたけれど…実際は、前の担任であった井川英一を凄く嫌っていた。
ハードSMの現場を年端のいかない少年が目撃すると、やっぱりトラウマになっちゃうよなあ。
そして、相手に殺されるのが至高の喜びになるだなんて、どれだけSMにどっぷり浸ってるんだよ、と思ってしまった。

「催眠術殺人事件」
泥沼かよと突っ込んでしまった。
夫を殺したのは妻であり、妻に催眠術を掛けたのは妻の浮気相手の男だと、私はそう推理した。犯人は浮気相手の男だと思ったけど、まあ違ってた。
実は夫の方が以前、ある夫婦の子供を車事故で死なせたために、その夫婦の夫の方が復讐のために、催眠術で女に殺人を犯させたというのが真相だった。妻には自殺され、悲惨な人生だな…。催眠術をかけるために肉体関係まで結ぶなんてね。ちょっと引いた。この男こそが真犯人だった。
結局最後は、寝取られた腹いせで浮気相手の男が催眠術を掛けた男を殺してしまうんだけど、泥沼だなあ。
催眠術を掛けられて殺人犯に祭り上げられた女は人格崩壊してるし…。
催眠術で本当に人を操る事が出来るのかと少し疑問に思った。催眠術って嘘っぱちでは…?と半信半疑なんです。

「精神分裂殺人事件」
凄く意味深で凄く謎に満ちてた。
被害妄想の結果、妻を殺して自首した話。そして裁判の結果後に精神病院に送られた。
精神分裂とは統失の事だよね。読んでいて、あー分かる、その気持ち分かる、私もつい悪い方に妄想して大袈裟に考えてしまう時ある、うんうんと思いながら読んでた。
けど、実際は妄想に取り憑かれているだけで、事実とは異なる事を言ったり行動に移したりしてるのでは?とも思った。全て妄想なんじゃないかと。病症なんだと思ってたけど…でも最後の最後で、本当はその病院そのものが悪の権化なのではともそんな気持ちにもなってしまった。
昔の精神病院は何かと悪い評判が流れてたとか聞いた事があるから、この話を読んで、悪事に手を染めても全ては患者のせいにして罪から免れていた、とかなのかな?とも思ってしまった。
最後は自傷して男は死んじゃうんだけど、実は病院内で虐待じみた事が横行していて、それで男は殺されたんじゃ…とか深読みしてしまった。
それともやっぱり、手紙の内容は妄想の中の出来事だったのか、本当に精神に異常をきたしてたんじゃ?本当、何が真実が分からない話だった。

「麻薬分析殺人事件」
最初から犯人は捕まった状態で始まるんだけど、タイトル通り、麻薬中毒者がどのように殺人を犯したかというような内容だと思ってたけど、全然違ってた。
感想の前に…犯人の三谷順平の学生時代が、なんだか自分自身の学生時代と似てて、しばらくショックだった…。
感想に戻るけれど、麻薬を使って自供させるって意味だった。
これって昔は本当にこういう感じな取り調べとかしてたのかな?実話なの?それともただの作り話なのかな?ちょっと興味があるから今度調べてみよう。
物語は犯人が捕まり、でたらめな供述を述べるから麻薬を使って吐かせるって感じで、正直に自供する犯人は何人も殺害した被害者について認めたけれど、一人の被害者についてだけは、殺害を認めなかったという話し。
結果は、その被害者は別の人が殺害してたんだけどね。
この被害者は随分ひどい人間だった。不良少女な被害者は同級生の女を、学生時代に警察に自分を売ったということで、恨んで大人になって復讐をしたんだけど。まあ、その仕打ちが非人道的であり得ない。そのせいで、同級生の女は自害しちゃうんだけど、女の親が被害者を復讐で殺害したと私もそう思ったんだけど…全く違ってた。犯人は婚約者だった。
自害した女の婚約者は、自害した女の親友と結婚してたんだけど、最後の最後でまさかその親友が被害者(不良少女)を警察に売り、自害した女の婚約者に気があって、警察に売ったのは自害した女だと被害者(不良少女)に告げ、被害者(不良少女)は自害した女に復讐…うわ女って怖いなと思った。女の世界ではあるあるだよね。勿論、自害した女は潔白だった。

「児童心理殺人事件」

犯人はずばり中原の住む一階下の住人、砂岡だ!と推理して読み進めたけど、やっぱり違ってた。えー、ここで新たな人物が出て来るの?しかもその人が犯人だったの?と推理が外れて残念な気分になった。

物語は中原桂司に降り掛かる災難で始まるんだけど、団地(アパート?)に住む中原の部屋(二階)の周辺で、団地に住む子供達が遊んでいた。蝉取りをしようとして、ちょうど中原の部屋のベランダ下に蝉が止まって、一人の子供がよじ登って蝉を取ろうとしたが、子供が何かに驚いて転落し気を失った。落ちるタイミングと同時に中原が窓から顔を出した事で、周りの住人は子供が落ちたのは中原のせいだと思い込んだ。子供達は中原が怒鳴ったから、シンちゃんが落ちたと断言したせいものある。

子供の心理は良く分からない…と大人から見てそう思ってしまった。そして、子供の発言は例え間違っていたとしても真実なるんだなとふと思ってしまった。子供の発言ばかりを信じるのではなくて、裏付けも必要だなと思った。けれども、子供以外誰もその光景を見ていなかったとしたら、やっぱり子供の発言は重要だという事になるし…。そういう確かな証拠を集めるのは難しいし、こうだと断言できる判断も難しいよなぁって。もしかしたら間違った判断をしている可能性もあるわけだし。私は悶々と悩みそうだ…。

怒鳴ってもないのに怒鳴ったせいで子供が落ちたと噂されるって、団地はやっぱりこういう不穏な噂話を流すの好きなのかな?実体験で両親が噂だの付き合いだのが面倒だったと聞いた事があったから。まぁ、人は噂話が大好きだからそれも仕方ないのか。あと、中原のせいじゃなかったと知った時の手の平を返したような周りの反応、ああこれぞ人間の性だと笑ってしまった。勿論私もそんな人間なんだろうな。

遊び回る子供達が出入り禁止の雑木林?で女の死体を発見して、殺人事件だと発展するんだけど。その犯人は誰かっていう物語だった。

子供が大人の性行為を見たら、トラウマになるみたいな事も書いてあって、一番最初の物語でもそうだったけどやっぱり実際でもそうなのかな?とちょっと気になってる。

シンちゃんがその光景を見てしまったばかりに、シンちゃん自身にも危険が…!無事に助かっていたけれど。

シンちゃんが砂岡の部屋を覗き込んでしまい性行為を見てしまった、それがトラウマになっていたと私もそう思ってたんだけど、実際は砂岡の部屋にはカーテンが閉め切られていて両開き用ではなく、その部屋の内部を覗くのは不可能であって…ならば何を見てシンちゃんは恐怖に陥ったのか。

カーテンが閉め切られている窓が鏡替わりとなって、向かいの部屋を映し出していた。シンちゃんがベランダの柵に上っているその時に、向かいの部屋の住人、細川が今まさに女に手を掛けていた…というのが真相だった。

シンちゃんに見られていたと知った細川が、まだ小学生一二年の子供(シンちゃん)を、プールで溺死に見せかけて殺害仕掛けたっていうのは、あやふやな書き方で終わったけど、結局どっちだったの?とモヤモヤとしてしまった。

中原の悪い噂も払拭されて、そこは私も大変満足した気持ちになった。

 

※読了
【「S」と「M」の人間学/矢幡洋】
【アダルトチルドレンと共依存/緒方明】
【サイコパス/中野信子】
【ストーカー の心理学/福島章】
【服従の心理/スタンレー・ミルグラム 山形浩生訳】

7/3「鉄鼠の檻/京極夏彦」
長かった。読み終えるまで凄く時間が掛かった。まあ、忙しかったから…。
しかし相変わらず凄く私好みの作品だった。そして、最後の憑き物落としというか、ネタバラし?というか、その部分はあっという間に読み終えてしまった。つまり、夢中になって読み進めたという事。
お坊さんを主要とした話しであったので、宗派とかお坊さんに関する知識的な事も書いてあったけど、その部分は難しすぎておまけに漢字や言葉遣い等も難しくて、辞書片手に調べながら読んでたけど、やっぱりちんぷんかんぷんだった。
目の不自由な尾島佑平の視点から物語は始まるんですけど、最初はただ例えばの話しをしてるのかな?と思ってたんだけど、まさかそういう事だったのかと最後まで読み終えてまた最初の文章を確かめてしまったよ。
この僧は誰なのかも分からなかったし、もしかしたらあの人か?いやこの人か?と次々に登場する僧をこの人が語っていたのかなとぼんやり思ったり思わなかったり。
山下警部補に若干同情してしまったよ。んで、菅原刑事には終始イライラしてしまった。こういった人間が私は苦手だし、仮に私の周りにこういう人間性の知り合いがいたら絶対に距離を取るだろうな。
最後らへん山下警部補にどんな心境の変化があったんだろうってくらい好感の持てる人格になってて応援したくなった。最初はただただ高圧的だったけど。
菅原は最後まで好きになれなかったけど。
今回はあんまり京極堂が出てくれなくて、残念だったな。まあ最後はきっちり締めてたけど。
多少は私も推理しながら読む事が出来て、しかもその推理が合ってたと分かった時は謎の達成感が湧いたよ。
犯人は最後まで分からなかったけれども。
犯した罪の理由は、うん呆気なかったけれど…でも誰しも思う感情だからなあとも思ったり。
鈴は鈴子の子供だと最後までそうだと信じて疑ってなかったけど衝撃の事実を突きつけられて、え!そうだったの!って驚いてしまったよ。
一番好きなシーンは、鳥口と敦子を抱えた哲童が問いかけ、すかさず言葉を返した京極堂とのやり取りがとても格好良かったです。