最近の楽しみは、アカデミー賞関連作品を観に行くこと♡ぴかるんばです。


第一次世界大戦のイギリス軍を描いた、ノンフィクションとファンタジーが交錯する物語《1917 命をかけた伝令》



〝衝撃のワンカット映像〟にヤラれ、〝衝撃のワンカット映像〟に救われた映画だった。

いや、戦争モノだし、覚悟はしてたんだけどね?予想以上にツラかった…。

序盤から感じていた「あぁ…ちょっと…しんどいな…」がたまりにたまって、いよいよ「私…ムリかも…」と思ったその時。隣に座っていたお姉さんが席を立ち、けっきょく最後まで戻ってこなかったよ。

不思議なのは、観る者にそれだけのダメージを与えておきながら、目を覆うほどグロテスクな描写もなければ、常にスペクタクルな映像ってワケでもないの。ないのに、どんどん自分も追い込まれていって、生きることを諦めたくなる。すごいよね、それだけ没入感が味わえるんだもの!

ただ、あまりにツラい時は私、制作側の視点に切り替え「どうやって撮影したんだろう!マイクは?照明は?このキャスト、いつからここで待機していたの?」と、裏側を想像してしのいだよ。

劇場の灯りがついた後も、足腰に力が入らず、立ち上がれなかった。


これぞ、リアル〝チャーリーズ・エンジェル〟?!数年前にアメリカで起こった事件が基となっている、セクハラ訴えエンターテインメント《スキャンダル》



台詞の多さと横文字の多さ、それから登場人物の多さに、のっけから置いてかれそうになったが、なんとか食らいついた!FOXコーポレーションというテレビ局の体質や思想を知らないのも痛かったなぁ。

おもしろいのは、女性だから女性の味方ってモンでもないこと。さらには、友達だから味方ってモンでもないこと。会社に歯向かうって、一筋縄じゃいかない。

とくに好きだったのは、セクハラ発言を浴びている最中の女性の、本音と建前が交互に語られるシーン。どうやったら男性のプライドを傷つけず、自分の立場も脅かされず、その場を切り抜けられるか必死に考えている。

バカみたいな作業だけど、これ、実際 仕事をしているとよくある場面なんだよな。

男性の猥談を「やだもう、またまた〜♫」っとかわすスキルって、悔しいことにけっこう重要。と、いうか、この術を身につけておいた方が、後々自分が楽なのだ。時には自らおどけてみせることもあるけれど、それも一種の自己防衛。

だから、セクハラ被害は表面化しにくいし、まわりは懐疑的になるんだよねぇ。

レディースデーともあって、観客の9割は女性だったけど、この映画、男性にこそ観てほしい。社会的地位や采配権のある男性に。


「女である前にアンカー(キャスター)よ」
の言葉が超かっこよかったので、私も今日から言うぞ

「女である前にぴかるんばよ!!!」

おねがい?


▼参考資料
町山智浩『スキャンダル』を語る